まず目を引いたのは、ソリッドなワンピース構造の軟鉄鍛造アイアンでは困難とされていたソールの広さ。このワイドソール設計によって打ちやすさと安定性を両立させており、むずかしいと思われていた軟鉄鍛造アイアンのイメージは払拭されたのではないでしょうか。
実際にボールを打った印象で特筆すべきは、軟鉄鍛造ならではの吸いつくような柔らかい打感。そして、その打感からインパクトの情報がしっかりと伝わってくることです。もしミスヒットをしてもミスの理由、ショットの情報が把握でき、それをつぎに活かすことができます。どこに当たっても打感が伝わらず、そこそこに飛ぶ無機質な“お助けアイアン”とはまったく違いますね。打感の良さ、的確さがスコアアップにつながるのはもちろんのこと、ゴルフの質を高めてくれるという意味でも“やさしい”アイアンと言えるでしょう。また、TC-510FORGEDはすごく構えやすい。ターゲットに対して構えたとき、素直にスッとスクエアにセットアップできます。フォーティーンらしいシンプルで美しいヘッドが安心感を与えてくれます。ゴルフはメンタルなスポーツですから、アドレス時の安心感は大切。我々プロも構えたときのフィーリングを大切にしています。この安心感もやさしさのひとつだと思います。
さらに、番手が違っても振り心地はほとんど変わりません。当然、番手ごとにロフトやヘッドのサイズなどは違うのですが、重心距離の差がわずかしかないので何番アイアンで打っても、いつも同じタイミングでスウィングできます。そのためミート率は上がり、ショットの距離感・方向性のバラツキが少なくなり、安定したショットで攻めていけるというやさしさもあります。
まさに、TC-510FORGEDは、打ちやすさ、感性、コースマネージメント、スコアメイク…、ゴルフのさまざまな要素すべてに“やさしい”アイアンです。
最近は、5番や6番アイアンに苦手意識があったのですが、TC-510FORGEDはまるでショートアイアンのように、やさしく打てました。ソール幅が広くて見た目にも安心ですし、構えた感じもしっくりきます。いつもより飛距離も出ていたんじゃないでしょうか。高い弾道で、ボールが糸を引くようにグングン飛んでいき、グリーンにピタッと止まってくれました。ショート番手も打ちやすく、距離感が安定しているので安心してピンを狙っていけます。
どの番手も、多少薄く当たっても大けがにはならないのですが、ミスヒットの感触はしっかりと伝わってくるので、自分がどんなスウィングで打ったかがわかりやすいですね。もっと打ちたい、もっと上手くなりたいと思わせてくれる、打ち応えを感じさせるアイアンです。
ゴルフをするうえで、感性を生かしてプレーすることはすごく大切です。そのためにはクラブも感性を生かせる打感が得られるものを手にする必要があります。しかし、これまでのやさしいアイアンと言われるクラブのほとんどは、インパクトの手応えを感じづらい無機質なモデルが多く、ゴルファーの感性を生かしにくい面がありました。TC-510FORGEDはソリッドなワンピース構造の軟鉄鍛造ながら、やさしく、打ちやすい機能性と軟鉄鍛造ならではの打感を併せ持っています。もっとゴルフを楽しみたい、上手くなりたい、今のアイアンに満足していないというゴルファーには最適なアイアンと言えるでしょう。
軟鉄鍛造アイアンには憧れがあったのですが、上級者向けだと思っていました。でも今回打たせていただいたTC-510FORGEDは、初めて打った時から違和感はなく、軟鉄鍛造アイアンなのにむずかしいという感じはまったくしませんでした。打感は軟鉄鍛造ならではの気持ちよさがあり、ボールも上がるし、安定したショットが打てました。本当にやさしくて、打ちやすいですね。軟鉄鍛造アイアンでやさしく打てる、こんなアイアンが欲しかったんです。