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ゴルフ野性塾スペシャル
No98...真剣勝負...(6/7)

負けて髪を切りました
私は先日、7つ年下ながら同ハンディの者とスクラッチで「髪切りマッチ」を行いました。負ければ丸坊主になる、という条件です。私は20年ぶりのクラス会が、相手は結婚式がと、お互い1カ月後に重要なイベントを控えた中だったので、それはもう大変なプレッシャーでした。途中5回もの逆転劇の末、結果は84対85、僅か1ストロークの差で私の負けでした。その日のうちに約束通り丸坊主にした私に「、周囲の目は実に冷たいもの。「つまらない事をやって!」という感じです。

しかし、プレッシャーを感じることの少ないサラリーマン生活の中で、彼と私は文字通り頭のはげる程のプレッシャーの中で戦い抜きました。ニギリとはまた違う、真剣勝負です。その時、プロゴルファーの1打もこんな中で打っているのかな、と感じました。(--後略--)

(神奈川県 35歳)


男には2度の勝負がある

よくやった! この経験、貴兄が45歳になった頃に楽しき思い出となって浮かび上がって来よう。想い出とゆうのは地下水でしてネ、時間が経って、突然、ポッと湧き出てくることが多いんですな。

吹き上がる想い出もあれば、ジットリ滲み出てくる想い出もあるが、喜怒哀楽を含んだ懐かしさは、地下水同様、水道水とは違った味してますよ。10年後、いい味持って湧いて来るでしょう。

貴兄はいい経験をした。しかしこの経験を他人に押しつけてはいけない。又、周囲の批判に対して反論する必要もない

この類の経験は自分の財産であって、周囲の好奇心野郎の財産にはなり得ないことを認識して欲しい。冷たい眼線に対しては、無視の態度が一番。反論すれば、好奇心野郎の眼は牙を出す。そうゆうのは面倒でしょう。無視するのが一番いい。

しかし、丸坊主マッチとはよくやったものだ。私は立派と思う。サラリーマン生活って、お互いの眼線の中で生きてる訳でしょう。蜘蛛の巣みたいな絡んだ眼線もある筈だ。

タテの眼線、ヨコの眼線、色んな角度の眼線があって憂鬱なこともありましょうが、貴兄の丸坊主は愉快である。眼線とは組織保持のための役割と思うが、いや、貴兄の丸坊主は愉快です

問題はやった後ですぞ。繰り返すが、反論は良くない。沈黙が貴兄の値を上げる。世間に出す感情は唯一つ、7歳年下の相手と顔合わせた時、ニヤリと微笑むだけでいいんです。それ以上のことは要らぬ。

2人だけの想い出となる性格のものゆえ、2人だけの財産として地下に潜らせてゆくべきと思う。若い人に強要したり、俺はな・・とゆう類の酒の席の説教もよくない。もう2度と人前では喋らんことだ

1度でも対戦時のプレッシャー等を自慢気に喋れば、そこで貴兄の男は下がる。聞かれたら「楽しかったよ」の一言で終わらせた方がいい。

戦いって2つありますよネ。本番の戦い様、そして本番を終えた後の態度 -- 。男の戦いって、あとの態度でもう1度戦うべきだと思うんです。だから、戦いは2度ある、と私は思ってる。

勝負って、先の戦いとあとの戦いに勝って、そこで勝ったと両手を上げれるんじゃないのかな。人間性が出るのは2度目の戦いでしょう。間違いなく、あとの戦いに男の値打ちは出るものだ。

23年間、私は勝負の世界に身を置いてきた。これからも身の置き所は変わらぬと思うが、勝つってことは難しいですよ。2度、勝たなくちゃならんのでネ。最初は相手、そして自分との戦いになってゆく。

己を日頃から見つめてなきゃ、2つの戦い、勝てやせん。貴兄は最初の戦いをやった。次なる戦いは始まってます。沈黙ですぞ。それが貴兄の戦いのスタンスだ。勝負は勝つか負けるかの一本道しかない。

道を一本に出来るからこその勝負道であって、道を複雑にするのは勝負経験の浅い人の考えとも思うし、頭の中で構築された勝負観とゆう気もする。

私は一本道を歩いてきた。楽しい道だった。まだまだ続く。

貴兄の経験は貴兄だけのものでプロゴルファーの1打とは違う。プロは怖さ慣れしている。それでもここ一番、怖いと感じて打つ。貴兄は髪切りマッチで恐怖の重さ、今迄のスウィングの頼りにならぬことを知ったであろう。

いい経験だ。貴兄のゴルフが強まることを祈る。周囲の声なんて100パーセント無視した方がいい。

つまらぬ事をほざく者は多い。ほざく人間、どこ迄立派なことが出来ている。これからの貴兄の笑顔と沈黙は勝負の世界だ。頑張れ、匿名希望! 風邪ひくな。


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