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ゴルフ野性塾スペシャル
No256....必要な練習の量と質...(8/12)

OBを打たない法は?
(--前略--) 昔、戸田藤一郎さんが「OB杭は空にある」と言われたそうですが、それはどんな意味なのでしょうか。また、塾長が経験の中でつかんだ、とっておきの「OBを打たない法」をお教えください。(

(栃木県・25歳)


必要な練習の量と質

風は吹く。その風、同じ強さ、同じ方向より吹く風とは限らない。強さも方向も変化していくのが風だと思う。

高い弾道の球を打てば風に流される事もあろう。OB杭は超えなくても、林の中、谷底、深いラフに球が転がり込み、グリーンを狙えない状況は起き得る。

流され易いボールを3球続けて打つと、己のスウィングに自信を失くす。流されにくい者と一緒に回っていれば尚の事、自信を失くす。それが怖い。

プロは流れの球で自信を失くす。自信を失くすと、心と体に不要の動きが生じる。プロの練習とは理想を追うだけのものではない。不要の動きを削り取るのも練習

トッププロは理想を追う眼と、現実の眼を持つ。理想の眼だけで成功した者はいない。現実の眼を持たぬ者は研修生レベル、あるいはプロ初期レベルで消えている。流され易い球を打ち、自信を失くし、流失した自信のスキ間に侵入する心と体の不要の動き。

歯に歯石不要、体に過度の脂肪不要、心に怖れ不要と申す。ゴルフにも不要なるものは多くある。それを知るか、知らぬかで上達スピード、そして強いゴルフになれる、なれぬかが分かる。

己の不要の動きを把握し、それを日々の練習とトレーニングで削り取って行くのがプロの練習ではある。理想を追う練習、そしてヘバリついて来る不要の動きを削り取る練習。

プロゴルファーに時間の余裕はない。時間余裕あり、まだまだ大丈夫、と思う者は確実に消えて行く。自信とは無駄な動きを削り行き、簡略化されたスウィングを求め行く中で得られるものだ。練習量が自信を作る、という考えは削りの練習量を指している。

理想のスウィングを作る練習から自信は生じない。ここを明確にしておかないと間違いが起きる。理想を追う眼と現実を眺める眼は要ります。そして、理想と現実の2つの眼を強くする練習も要る。

人間、2つの眼球を持つ。ならば,眺めるも2つの眼で眺めたいものだ。理想倒れ、現実腐敗臭の強い世の中になって来た。2つの眼のバランスの崩れなのかも知れぬ。

ゴルフに関する限り、私は間違わない。己のプロゴルファー人生、間違って間違って、私は今を迎えている。これ以上は間違わぬ

来年5月には9つの塾、塾生総数500人になる。理想の眼と現実の眼の2つの眼で塾生を指導して行く。自信無き心はプロの心ではない。プロの心は確たる自信持つ心であろう。

空にOBあり、は現実と理想の両方の想いを伝える言葉である。風に流されてOBもある、という単純な考えで発せられた言葉ではないと思う。その先がある。その先は心の中に隠れている。

経験から生じた言葉には、裏もあれば先もある。それを伝えれば問うた方の理解は速い。伝える人が少ない。問題はそこだ。

OBを打たない方法? 己を眺める2つの眼、進む方向を見定める2つの眼で練習しなされ。素朴な心で練習して行けば心眼の生まれる時も来よう。

要るは練習の量と質。25歳の貴兄は量の打てる年齢だ。努力せよ。貴兄の膝元には貴兄のゴルフを導くであろう「スウィング進化論」が置いてある筈。なければすぐに買え。まずはそこから始めなされ。
 喝!


この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

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