ゴルフダイジェスト出版案内>ゴルフ野性塾SP

ゴルフ野性塾スペシャル
No217...バットでのスウィング...(10/29)

バット振りは有害か?
塾長はじめまして。私はゴルフを始めて8年が経ちました。昨年は年間25ラウンドして、その半分は80台半ばのスコアを出す腕前です。そこで質問です。よくプロや上級者はバットスウィングをトレーニングに取り入れていると聞きますが、どうなんでしょうか。最近ソフトボールをはじめ、バットスウィングをやるようになりましたが、ゴルフにいい影響を与えないと感じています。このままバットスウィングを続けたほうがいいのでしょうか。それとも止めたほうがいいでしょうか。

(愛知県・34歳)


拘りは無用です

男子プロの領域に野球経験者は多く、女子プロの領域にはソフトボール出身者が多い。彼等はプロゴルファーになった後も拘(こだわ)りなくバットを振っている。

人間の順応性には、予想以上のものがあると思う。拘ることはない。バット振って駄目になる様なゴルフスウィングなら作り直せばよい。

順応性は必要。狩猟民族の順応性は強い。変化を当然と考え、その当然の中で生きている。日本民族の特質に拘りの強さがある。拘り心は変化を否定する。その心は農耕民族の個性であった。農耕民族は変化の無さを美徳と考える部分を持って来た。

変化の否定にはいい面と悪しき面がある。スポーツは現状維持では、いつかは倒される故、変化を必要とする領域。変化の中で進歩し、進歩の中で変化して行くのがスポーツ。当然、変化の否定は悪しき事になる。日本のプロは変化に臆病であった

その臆病さが欧米との差となって来た。変化に最も素直だったのは青木功、尾崎将司、岡本綾子の三氏。変化に踏み込み、失敗する可能性は常にある。ゴルフにおいて変化の失敗の可能性は50パーセントと思う。三人は順応性への勇気を持っていた。

私もその勇気、必要なる事に気付いたが、頭デッカチの勇気であり、拘り心を振り解く事が出来なかった。夢や目標への拘り心は常に必要なれど、今への拘り心が強過ぎた。

勇気が無かったし、変化の道しるべとなるゴルフ理論の確立に欠けていた。一つが満ちれば一つが足りずに、変化への勇気を持つ事が出来なかった。15年前、私自身の「進化論」があれば、私は変われていた。遅過ぎた。

貴兄はバットスウィングに拘るな。バットもゴルフクラブも振り続けて行けばよい。現在迄、最善のトレーニング方法は見つかっていない。試行の中で探している状況。ならば、貴兄も試行せよ。理論、方法論の壁に当たる迄続けてみるべきだろう。

バットの振りは水平が基本。この時、人間、垂直に立った時、その前傾角度は0度。ゴルフクラブの振りは垂直に対して45度から60度前傾の角度。90度の差があれば人間の体も順応出来ないと思うが、90度以内であれば順応出来る筈。頭よりも高く、バットを振り回すスウィングの練習はしないものだ。人間の体、90度以内は順応出来る。貴兄は続けよ。

私は筋肉の一方的な凝りを解く意味でバットを振っています。ゴルフスウィングに有効と思って振ってはいない。凝りはスウィングスピードを損なう。その様に考えれば、バットスウィングはスウィングスピードを生む手段として役に立つのかも知れぬ。

バット振る時は左腕で振る事です。そのほうが弧面は歪み難い。右腕主体で振れば弧面、明らかに波を打つ。

右腕は浮かして振ったほうがよい。右ひじを絞ると、左腕窮屈となり、加速性が薄まる。慌てず、焦らず、穏やかなる気持ちで精進される事を願う。ご自愛あれ。


野生塾トップへ戻る