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ゴルフ野性塾スペシャル
No156...クラブヘッドの重さ...(8/1)

ただ思いきり打っていたが・・
塾長、はじめまして。この前レッスンプロに聞いた話なのですが゛プロはスウィング中ヘッドの重さや位置を感じながらスウィングしているとのことでした。私はこれまでそのような事は思ってもみず、ただ思いっきり打っていました。 塾長もヘッドの位置を感じながらスウィングしているのでしょうか。またそうでなければシングルプレーヤーにはなれないのでしょうか。(後略)

(三重県・H11)


今は考える時ではない!

私の経験を述べる。

トーナメント時にクラブヘッドの重たさを感じることはあっても、練習時とは異なる感じであった。

練習場、練習ラウンド時と試合本番ラウンドと気の集中は異なる。それは別物だ。

練習時、クラブヘッドの重たさ、位置を知ろうと思えば、簡単に知ることは出来た。重たさ、方向へ気を向ければよかった。触覚フィーリングを持つ集中力である。

トーナメント時にその余裕はない。余裕のなさが私の限界といわれればそれ迄の話となるが、プロゴルファーの中で練習と本番に同じ余裕フィーリングを持てる者が何人いるだろうか?

集中に関する限り、トーナメントでは大きいものを小さく凝縮させて行く。練習では小さな集中で球を打つ。同じ様に球を打つにしても、ここが練習とトーナメントの違いです。

練習時、トーナメントと同じ様な集中をしていたんでは500球、600球の球は打てない。凝縮の集中は100球迄。

大いなる気は100球、小なる気で1000球打てるのがプロと思って頂きたい。

今、私は100球打って、練習オシマイ、とゆう。

「たった、それだけ!? 練習量の絶対不足だ!」
「いいんだよ。今は本番の気で球を打ってるんだから100球で十分。それ以上打つ必要はない。その気もない」
「気って何です?」
「集中の気、気構えの気、気合の気、気分の気、気流の気、何でも来いの気」
「言われてる意味が分かりません」
「分からなくてもいい。私だけに分かってりゃいい気の気」

人間50歳になりゃ、26年球叩き稼業続けてりゃ、14年間の物書き稼業やってりゃ、スットボケタことのひとつや二つは平気で言える様になる。

トーナメント時、小さな気で打ちはしなかった。大きな、凝縮の気で打っていた。重たさは感じても、重たいと感じただけ。クラブヘッドがそこにあるんだな、と思っただけ。練習時と同じ重たさだとか、位置が間違っているとかは感じなかった。

感じる様では駄目だと思う。己と戦うには気の大きさは必要。最後は己との戦いになる。プロの世界、凝縮できる気の大きさを作ることが鍛練目標の様な気はしてる。

本番と練習は違う。同じだ、と言う人は外様だと思う。練習の時は意識で重たさは分かる。意識で測れるクラブヘッドの重たさである。トーナメントでは感覚で測る。

貴兄は何も考えずに打て。ハンディ11にはハンディ11の世界しかない。シビれ上がる思いをするには、最低ハンディ8が要る。県アマ選手権レベルの公式戦出場はハンディ8以上の筈。シビれの領域はそこからだ。

シビれた、シビれた、と繰り返しても、プライベートコンペのシビれと公式戦では違う。まずは同伴競技者の技量レベルにシビれ、周囲の雰囲気にシビれ、スコアにシビれ、己にシビれ、最後は人間性と勝利への過程にシビれて行くのがシビれの道中。

まずは心でシビれ、体でシビれ、最後に体技心でシビれるのが勝負事だと思う。

貴兄は考えないことだ。球を打ち続けよ。ハンディ10になれば10の領域が分かる。9になれば9の領域、8には8の領域がある。11の貴兄に8の領域は分からぬ。

上達せよ。今迄通り、黙して球を打て。重たさ、方向は貴兄の領域が教えてくれる。その領域は8から始まる。公式戦出場を目指せ。

フィーリングを水に例えるならば、ハンディ11は砂漠の中のコップ一杯の水。ハンディ8にはオアシスが待つ。貴兄の目標、ハンディ8!

ゴルフ上達は深く考えた方がいい時と、考えない方がいい時の二つに分かれる。今は考えるな。ハンディ11は突き進めるか、否かの大切なころ。

貴兄は何も考えず、何も想わず球を打て! 半年の勝負だ。


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