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ゴルフ野性塾スペシャル
No92... プロのテクニックを盗む...(4/26)

トーナメントで何を見る?
私は今年4月にゴルフを始めたばかりのビギナーです。一生懸命に勉強しているつもりですが、上達は遅く、職場の先輩からも「まだコースは無理」と言われているほどです。実はこの秋、プロのトーナメントを見に行こうと思っています。いつもテレビで見ていますが、実際のプロのテクニックを見てヒントにしたいのです。そこで塾長に質問です。プロのスウィングを実際に見る場合に、見る場所、私にも参考になるようなスウィングの注目ポイントなどを教えてください。

(神奈川県 21歳)


アドレスを盗みなさい

貴兄の住む川崎から見に行けるトーナメント会場となれば、東名のゴルフダイジェスト(注)と御殿場の太平洋マスターズあたりか・・・。2つともいいトーナメントです。独特の雰囲気を持っています。

スウィングのヒントにしたい点となれば、アドレスでしょう。

街中の練習場でプロが球を打っていたとする。参考にするのはスウィングリズム、唯一点。スウィング型は写真で見た方がいい。写真で得られぬのはリズム。こればっかしは実際に目の前で見なければ駄目だ。テレビも駄目ですぞ。

自分の足と眼で追っかけて、そこで初めてリズムが分かってくる。リズムとはそうゆうものです。

練習場ではリズムを盗めばよい。トーナメント会場ではアドレス時の体重配分。そしてトップ位置とフィニッシュ位置。要するにスウィングの応用部分。

コースの中で平らな地点から打てるのはティショットだけと思って頂きたい。名門コースとゆうのは、ティだけはいつも平らに出来ている。支配人、グリーンキーパーが謙虚であり、この役職に誠実なれば、ティのフラット性にはいつも注意するものです。

傲慢、無知とくれば、ティのフラット性には無頓着となる。左足上がり、ツマ先上がり、デコボコティ、こうゆうのはグリーンキーパーとしての資質に疑問符がつく。

役職者程、責任負う領分は増えるのが普通。ゴルフ場は支配人とグリーンキーパー。経営者は支配人とグリーンキーパーの給料を同じにした方がいいと思う。

それだけのプライドと工夫出来る頭脳の柔軟性、謙虚さを持って、グリーンキーパーはコースを維持すべきでしょう。この責任領分を知る者は、間違いなく謙虚である。

トーナメントコースのティは立派に出来ています。平らなティ上、大きいスウィングは出来る。

ティから離れれば、スウィングの大きさは変わりゆく。地面に変化あれば、変化せねばならぬ。変化に対しては、変化で応じるのがゴルフです。

振りの大きさ、リズムの変化等、応じる手段はいろいろとあるが、皆、アドレス時の構えで決めてくる。だからアドレスを見れば、何をやろうとしているのかは目で分かる。構えと、インパクトの打球音の2つで結果も分かります。

週刊朝日、本誌での10年間の観戦記執筆、知り得たことも多いが、書き終えた瞬間に忘れたことも多い。でも、構えとインパクト音から得ることの出来るとゆう自信だけは、この体が覚えています。

貴兄はアドレスを眺めなさい。ロープの中の選手の歩きに、ロープの外からくっついてゆくのです。正面からアドレスを眺められる位置にいて下さい。そして、アドレス時の構えを頭の中に叩き込んでゆけばいい。

ゴルフの財産作りはトーナメント観戦より始まる。見て盗む! これは本当のことです。アドレスを盗んで下さい。最初は腰から下を眺めた方がいいでしょうな。見てもすぐには分からないでしょう。でも、いつの日にか、ポッと思い当たること湧いてくるものです。眺めた記憶、それが大切ですぞ。

そこで初めて、盗んだと言えるんだ。アドレス!


(注) ゴルフダイジェストトーナメントは97年で終了。
98年はジュニア育成を目的とした
「ジュニアカップ」が8月に開催されます。


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