ゴルフダイジェスト出版案内>ゴルフ野性塾SP

ゴルフ野性塾スペシャル
No54...ラフからの「だるま落とし」...(7/27)

夏のラフで失敗する
私は、いつも草が深く生い茂る夏になると、ラフからのショットで「だるま落とし」が多く出るようになります。クラブヘッドがボールの下をくぐりぬけて、ボールはポンと上にいくだけで、全然前に飛びません。
私のスウィングはどちらかというとアップライトで、上からまっすぐ振り下ろすイメージで打っています。スウィングの仕方に問題があるのでしょうか。何とぞ良い練習の方法がありましたら教えてください。

(前橋市 38歳)


タイヤ叩きで左脇を締める
打ち込みすぎる。もっと、スウィープにヘッド入れてゆくべきと思う。
肩の回転で打ってゆくべきであろう。
スウェイしても、貴兄の言う「だまる落とし」は生ずる。特にダウン時に、突っ込みすぎると、球の下をすくうことは往々にしてある。

以上の3項目は、スウィングに問題がある。インパクトを緩めた時にも、「だるま落とし」は起きる。このミスは、多分に精神面から来る傾向が強い。

いずれにしても、「だるま落とし」とは空振りに近い状況であるが、スウィングの欠陥によるものか、精神的不安から来るものであるかは、貴兄自身が自己分析する問題である。

この分析から、ゴルフの上達は始まるとも言える。ミスを分析してゆく、ハンディキャップに応じたそれなりの理論技量。そしてそれに対処してゆく根気があれば、たとえ現在は24のハンディであっても、ハンディ3までの道はストレートに開けているものである。それを信じる勇気も、また必要。

私自身に関しては、元来が手首を多様せぬ打ち方ゆえ、「だるま落とし」なるミスの経験は記憶にない。オープン競技時の柔らかいモサモサラフの中、あるいは熊本芝のような茎の強い、球の浮きやすい状況の時には、極力、左手首の動きを抑えて打っている。スウェイするとシャンクが怖いから、ラフの中、クロスバンカーの中に入った時には、腰をグッと落として構える。腰高に構えるのは、ティグラウンドの上のみ。腰の構え方にも、三段階くらいの注意は必要。

一度、タイヤ叩きをやってみたらいい。小さいバックスウィングから「ドン」と横たえたタイヤの腹を打ってゆくのであるが、なかなかに効果はある。左脇が締まってくるので、体の正面でインパクトを作りやすくなる。となれば、スウェイが防げる。腰で打てるようになる。

左肩が柔軟であり、加えて左脇が締まってくれば、アドレスに近い形でのインパクトは作れるものである。このためには、タイヤ叩きよりは素振りが最も効果的。ビュンビュン振るのではなく、大きく、ゆっくり振るのが肝要。

しかし素振りには基本がいる。この基本をつかんでいる人は少ない。

間違った素振りは真冬時、素っ裸で風邪の菌が培養されている部屋の中に入るようなものである。風邪をひくのは、間違いあるまい。気付かぬままに続ければ、回復できぬ、悪癖を身につける可能性も高い。

素振りの方法は、レッスンプロに教わるべきである。我流はよくない。

タイヤ叩きは、我流でもやれる。そのうち、タイヤの重さが、叩き方を必然的に教えてくれる。貴兄はタイヤを叩けばよい。

肩で振れるようになってくる。手首を使わぬ打ち方になってゆくであろう。