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ゴルフ野性塾スペシャル
No25...プロにとっての壁とは...(12/13)

プロの壁、塾長はいくつ乗り越えた? プロゴルファーにとっての壁とは厚いものでしょうか。高いものでしょうか。プロにとっての壁とは何でしょうか。塾長は、それをいくつ乗り越えましたか。不躾な質問ではありますが・・・。

(東京都 68歳)


プロの壁は初陣と
その後の3年にある

あくまで私の経験で述べさせてもらう。プロの壁とは「初勝利」である。

私にはプロに入ってから多くの初勝利のチャンスはあった。研修生時代、10回の中部地区研修会のうち7回勝ったことがある。当時の私は強かった。

そこから先が問題である。チャンスはあった。そのチャンスを自滅でことごとく潰した。ひっくり返された覚えは一度もない。すべて、自分で転んだ。ここでスーッと勝っておれば、今と全く違っていたであろう。

「プロの壁」とは、初陣、そしてその後3年にある。勝たねば「プロの壁」は日ごと高く、厚くなってゆく。早く勝たなきゃいかん。

勝利への道が見えているうちはいい。この道がそのうち、見えなくなってくる。自分の敗因、その他の解決すべき要因を見つけることのできるうちは、チャンスはある。

プロテストを通り、試合に出場でき、予選を通り、最終戦線にポソッポソッと顔を出しているうちは、華である。壁は見えている。厚さも、高さも、その越えるべき手段も。

試合から遠ざかり、己の身を嘆きだ出し、他人に不満をブッつけるようになると「壁」から離れてゆく。そして、終わる。

私は13年かかって「最初の壁」を越えた。ナイジェリアで勝った。ひとつだけ、私は越えた。

次なる「プロの壁」は九州オープンである。そこまで辿り着ける足があるか、這い上がる気力があるか自分でもわかっていない。

中島はない、と言っていた。倉本もない、と言っていた。女房だけが「頑張りましょう」と言っている。