ワンプレーン打法

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ワンプレーン打法
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デシャンボーの登場で今、再び注目を浴びる
正確無比なワンプレーン打法。
多くの伝説を残したモー・ノーマンを徹底解剖。

【introduction】
モー・ノーマンとは何者か


 PGAツアー未勝利ながら、モー・ノーマンほど多くのプロから称賛された選手もいないだろう。ノーマンが年代を問わず多くの選手から支持されている理由は、ショットの正確性、そしてそれを繰り返し行うことができる再現性だ。
 今回、ノーマンの教えを後世に伝えるグレイブス・ゴルフアカデミーを、スウィング理論に精通した吉田洋一郎プロが取材した。
 近年では「ゴルフ科学者」を自任するブライソン・デシャンボーがノーマンのスウィングを研究しモデルにしていることで、今、再びその存在に注目が集まっているのだ。  

プロも憧れた、どんな状況でも曲げない伝説の技術をご紹介しよう。

METHOD 1

【スウィング軌道】

打っても、打っても同じ軌道を描く。
再現性の高さのカギは究極のワンプレーン

 ノーマンの代名詞とも言えるのが、テークバックとダウンスウィングでクラブが同じ軌道になるワンプレーン(シングルプレーン)の動きだ。ノーマン自身がプレーしたのは半世紀も前だ。今もなお支持されているのはワンプレーンのスウィングが、シンプルな論理に基づいた普遍的なものだからだろう。
 ノーマンのアドレスを後方から見るとシャフトと右前腕が一直線に見える。右腕が左手よりも低い位置にあり、右腕とクラブの直線と背骨が直角になる。
  背骨と直角上にシャフトと右腕があるノーマンのアドレスは、シンルでセットアップしやすくセルフチェックも簡単にできる。
 ノーマンはこのアドレスで作ったシャフトの角度がスウィングプレーンとなり、その面をクラブが上がっていく。プレーン自体がややフラット気味になっているのが特徴だ。スウィングプレーンは背骨に対して直角になるため、アマチュアにとってはポジションの理解をしやすいので、ぜひ試してみてほしい。

METHOD 2

【インパクトイメージ】

フェースは絶対に開閉しない!
モー・ノーマンの教えはショートゲームに宿る。

 フェースの開閉を行うと、ボールに対してフェース面が真っすぐになるのはタイミング次第。ノーマンはどんなタイミングでヘッドが下りてこようとも、フェース面が真っすぐボールに当たるようにヘッドの開閉を極力抑え、インパクトを点ではなくゾーンでとらえるように動かしている。
 アプローチもこの延長で打つことができる。インパクト前後を長いゾーンと考え、その中でのフェースの開閉を極力抑える。フォローでもフェース面は返さずそのまま飛球線の上を目標方向に動かしていく。

 フェースの開閉を抑えるために、パターのシャフト部分を握り、デシャンボーの中尺パターのごとく左腕とシャフトを密着させて振れば、フェースローテーションを抑えた動きを身につけることができるはずだ。

METHOD 3

【セットアップ】

ワンプレーンの基本は構え。
アドレスもグリップも決めるのは左サイドから

 クラブを動かすのは左腕だが、スウィング中に複雑な動きが入らないようにするために、シャフトと一直線になるように構える。このようにできる限りスウィング中にクラブと体の関係を変化をさせないというのがノーマンのスウィングの特徴と言える。よくプロが口にする「シンプルな動き」だったり「余計なことはしない」ということと同義だ。
左サイドのセットアップの次に重要なのがグリップだ。ノーマンは手のひらでグリップを包むように握るパームグリップにしていた。そうすることで手とグリップの密着度が高まり、スウィング中にクラブが動きにくくなる。つまりそれだけアドレスのポジションに、クラブが戻りやすくなるのだ。

 手首や腕は非常に器用で動かしやすい。ノーマンのアドレスはその器用さを故意に抑えて、確実性を優先させている。一見すると独特な形に見える。だが手元でクラブを動かしがちなアマチュアが参考にできる部分も多いのである。

METHOD 4

【バックスウィング】

無理な動きは決してしない
右わきは締めたまま。小さなトップで大丈夫

オンプレーンにクラブを上げるためにやるべきことは3つある。
①「左肩を軸にすること」
②「頭の位置を変えないこと」、
③「そして垂直軸を中心に回転すること」

 手と体の関係をイメージするためには、直立してクラブを動かしてみるとよい。 直立したまま左手でクラブを持ち、肩の高さまで上げる。そして左腕とシャフトが一直線にになるようにクラブを水平にする。その状態のまま体の中心の垂直軸をキープして、左右に回ってみてほしい。この状態から、上半身に前傾角度をつければモー・ノーマンのスウィングになる。
 このように左腕や頭、手首の動きに制約があると大きなトップが作れない。しかしノーマンのスウィングでは正解。

 とにかく無駄な動きを排除するのがノーマン式のワンプレーンスウィング。シンプルに回転し、ボールを叩くことに特化しているのだ。

METHOD 5

【フォワードスウィング】

脚は動かすが頭は動かさない。
切り返しは左ひざから下半身先行でパワーを生み出す

 切り返し以降は、下半身の動かし方に注目したい。アドレスからトップまでは、下半身の動かし方に注目してほしい。
 ポイントは切り返しの際の左ひざだ。トップが深くならないうちに、ひざ頭を目標方向に横移動させるように下半身リードの切り返しを行う。左ひざをスライドさせることで、右足の前に空間ができる。ここに畳まれた右ひじを納めるように下ろしてくる。右足をベタ足のままスウィングすることで、叩いても曲がらないショットが可能になるのだ。

テークバックでは垂直軸を中心に体を回す。そして切り返し以降では、左ひざを目標方向にスライドさせて右から左へ横移動のイメージで動く。行きと帰りの動きが異なるのでその点は注意したい。ただどちらでも重要なのは、手首をできる限り使わないように動かすことだ。

METHOD 6

【ワンプレーン・ドリル】

練習では、ヘッド軌道はあえて気にしない
今日からできるモー・ノーマンメソッド 

 ノーマンのスウィングは非常にシンプルで理にかなったものだが、おそらく多くのアマチュアの今のスウィングとは、大きな差異があるはず。
 そこで最後にこれまでのポイントを身につけられるドリルを紹介。ノーマンのようなワンプレーンスウィングを身につけるためのポイントが詰まっている。

『レッスンの匠 あのタイガーが憧れた伝説のスウィングが蘇る【モー・ノーマン メソッド』は、チョイス2019年春号に詳しく掲載されています。

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