世界中のツアーで圧倒的な使用率を誇っているボーケイ・デザイン ウェッジ。
マスタークラフトマンであるボブ・ボーケイ氏の手によってさらに打ちやすく進化した最新作、
「SM8」の実力を検証するため、2名の有識者が試打してインプレッション。
さらに4名のアマチュアテスターがタイトリスト公認フィッターの助言を受けて、
豊富に用意されるロフトとソールグラインドから、
どんなウェッジ構成によってショートゲームのミスを改善できるのかを検証した。
世界中のツアーで圧倒的な使用率を誇っているボーケイ・デザイン ウェッジ。
マスタークラフトマンであるボブ・ボーケイ氏の手によってさらに打ちやすく進化した最新作、
「SM8」の実力を検証するため、2名の有識者が試打してインプレッション。
さらに4名のアマチュアテスターがタイトリスト公認フィッターの助言を受けて、
豊富に用意されるロフトとソールグラインドから、
どんなウェッジ構成によってショートゲームのミスを改善できるのかを検証した。
1996年からタイトリストでウェッジ製作に携わってきたマスタークラフトマンのボブ・ボーケイ。彼は、プロやアマを問わずに多くのゴルファーからのウェッジに対しての要望に耳を傾け、より良いパフォーマンスのウェッジを生み出すことに人生を捧げてきた。「スコア向上を熱望する、あらゆるゴルファーのための助けになる優れたパフォーマンスのウェッジを作ること」。これこそがボブ・ボーケイのフィロソフィーとなっていて、自分のウェッジでゴルファーのスコアを向上させることが彼の最大の喜びにもなっている。
ボーケイの考えるウェッジにおける高パフォーマンスとは、〔ショットの多様性〕、〔飛距離精度〕、〔スピン性能〕という3つの要素からなる。
〔ショットの多様性〕
球を上げる、転がす、などの球筋を打ち分けや、フェアウェイ、深いラフ、バンカーなどのさまざまなライコンディションにおいて、プレーヤーが自信をもってウェッジショットが打てるようにするためのもの。「SM8」では、ロフト、グラインド、バウンスが異なる23種類を用意することで多様なプレーヤーニーズに対応している。
〔飛距離精度〕
おもに100ヤード以内のショットをストレスなく打てるようにするもの。ロフトごとに最適化した「プログレッシブCGデザイン」を採用した複数本の「SM8」を組み合わせることで、ショートゲームが容易になってスコア向上につながる。
〔スピン性能〕
ウェッジにおいて重要なファクターだが、スピン量は多すぎても少なすぎてもいけない。「SM8」では「インプルーブド TX4 グルーブ」と「プログレッシブCGデザイン」を採用することで最適スピン量になるように設計。弾道と距離をコントロールしやすくしている。
ボーケイ・デザイン ウェッジのSMシリーズは、プログレッシブCGと呼ばれるロフト別の重心位置設計をはじめて採用した6代目のモデル「SM6」で、ロフト毎の飛距離を適正化することに成功した。7代目「SM7」ではソールグラインドの種類も増えて、より個々のプレーヤーやコース状況に合うウェッジが提供されるようにもなった。
そんな経緯にあって「SM8」は、プレーヤーから高く評価された技術をもう一段進化させるべく改良が加えられた。ヘッドの重心位置を改めて見直し、より安定したインパクトを迎えられるよう、新たにForward CG(重心を浅くする設計)が取り入れられた。具体的には、「SM8」ではロフトごとにホーゼルの長さを変えて、ヘッド内部のトゥ側に適正重量のタングステンを備える手法が使われている。
進化した新たなプログレッシブCGによって、「SM8」ではプレーヤーがイメージするインパクトを迎えやすくなり、弾道の安定性と再現性がより高められている。それだけでなく、打感は従来よりもソリッドになり、フィーリングが大幅に向上。また、新たな設計手法によって「SM8」ではトップブレードの厚みがなくなっているのも注目すべきポイント。オーセンティックなウェッジのルックスを取り戻したことで、自分が打ちたいショットのイメージに集中できるようにもなっている。
PGAツアーで「SM8」が支給され始めると、ボーケイ・ウェッジ使用者の約80%がすぐに「SM8」にスイッチした。新しい「SM8」が従来モデルから大きく性能進化し、トッププレーヤーたちに受け入れられた証明ともいえる。
従来のモデルからヘッドの重心位置が変わったことは、打ってみてすぐに分かりました。グリーンを狙うフルショットでは、低めの弾道でラインを出しやすく、自分の思いどおりのスピン量でグリーン上にボールを止められます。短いアプローチでもそれは同じで、「SM8」はコントロール性能や安定感が向上していていると感じました。
私の場合、フルショットで使用することが多い50度はバウンス角が12度。フェースを開いて使うこともある54度はバウンス少なめの10度、いろんなシチュエーションで使う58度は、フェースを開いて球筋を操作しやすい8度のバウンスを選びました。結果的にロフトによってソールグラインドが変わりましたが、この組み合わせが自分のゴルフにとってはベストなのです。こういう多様な選び方ができるのも、バリエーションが豊富な「SM8」のいいところです。
ウェッジのセッティングは、自分が使っているアイアンセットのPWのロフトを基準に4〜6度刻みにすると距離を打ち分けやすくなります。ウェッジをフルショットで使用することが多いアマチュアゴルファーには、バウンス角が多めのモデルをオススメしたいですね。またバンカーで使用するロフトの大きいウェッジのバウンス角は、自分がよくラウンドするコースの砂質を考慮するといいでしょう。軟らかい砂であれば、ヘッドが潜りすぎないようにバウンス角が多めを。硬い砂であれば、ソールがはじかれすぎないようにバウンス角の少ないモデルを選ぶといいと思います。
これまでの自分のゴルフ経験から、アマチュアがスコアを向上するには2つのスキルアップが必要だと感じています。ひとつはドライバーでOBを打たないこと。もうひとつはウェッジのミスを減らして、ピンに寄せられるようになることです。例えば、仮にパー5のホールでティショットを林に打ち込んでも、4打目のアプローチでウェッジを使ってピンに寄せられればパーが取れるし、グリーンに乗りさえすればボギーが見えてくる。パー3やパー4でも同じで、ウェッジがうまく打てれば、1打目や2打目のミスをリカバリーできるようになります。
かく言う僕も、数年前からウェッジの重要性を強く認識していて、今ではウェッジ構成を主体にクラブをセッティングするようになりました。
現在は「SM7」を使っていますが、特に気に入っているのは「SM7」から追加されたDグラインドの60度。フェースを開いて使いやすく、なおかつバウンス角が大きいので、バンカーショットや荒れたライでもミスが出づらいソール形状です。
「SM8」を試打して最初に驚いたのは、フィーリングが格段に良くなっているところ。前作からヘッドの素材が変わったのかと勘違いしたぐらいです。フェースにボールが接触する時間が長くなっているように感じられるし、ロフトの大きい58度や60度のモデルでは、低く出して止めたり、ロブショットを打ったりしたときの安定感がアップしている印象を持ちました。個人的には「SM7」で気に入っていたDグラインドが、「SM8」ではラインナップが増やされて54度から用意されているのもうれしいですね。
マッスルバックのアイアンを使用していて、PWの飛距離が約130ヤード。その下に100ヤードをぴったり打てるウェッジとして54度、アプローチやバンカー用として58度を使用していました。ですが、PWと54度の間の30ヤードの飛距離差を埋めるのが難しく、58度で打つアプローチでも距離感が合いづらいのが悩みでした。PWと54度の中間を埋めるクラブとして「SM8」の50度を使ってみたら、ちょうど115ヤードを打つことができるし、とても打ちやすい! さらに現在の使用ウェッジは「SM6」のMグラインドなのですが、「SM8」の54度と58度をDグラインドで試してみたところ、ソールのバウンスが気持ちよく地面に当たってくれて、ナイスショットとナイスアプローチを連発できました。
ソールの形状とバウンス角によって、これほど差が出るとは思いませんでした。これを機に「SM8」を3本購入してウェッジのセッティングを入れ替えたいですね。
現在使用している3本の単品ウェッジは20ヤード刻みで距離を打ち分けられるように自分で選んだものです。フルショットでの距離感はいいのですが、58度で打つ30〜40ヤードのコントロールショットが苦手。引っ掛けのミスがたまに出て、左奥にオーバーしてしまうのが悩みでした。今回「SM8」58度のDグラインドを試してみたところ、フェースコントロールがしやすく、芯に当てやすいし、なぜか引っ掛けのミスも出なくなりました。「SM8」を使うと簡単にピンに寄せられるような感じがして、正直とても驚きましたね。同じ「SM8」の58度をバンカーショットでも試してみましたが、いつも自分が使っている同ロフトのウェッジよりも砂を爆発させやすく、こちらも簡単に感じられました。
バンカーショットではソールが幅広いKグラインドも好感触だったのですが、58度はアプローチでも多用するので、最終的にソールの抜けが良く感じるDグラインドで決定しました。
短い距離のコントロールショットが苦手ということで見直したのは、グラインドの種類です。山添さんはスイング中にフェースの開閉を多用するプレーヤーなので、三日月型ソールを試してみてもらったところ、ショットの安定性が向上しました。また、バンカーからの飛距離が安定しないというお悩みもあったので、バウンス角が大きめのDグラインドをおすすめしたところ、苦手を克服されました。
数年前からタイトリストの「SM6」を使い続けています。特に不満はなかったのですが、「SM8」を試打してみると、まず打感の違いに驚きました。「SM8」は打感がソフトになっていて、グリーン周りからの距離の短いアプローチでもボールがフェースに乗るように感じられます。このフィーリングが得られるだけでも買い替えたくなりました(笑)。自分のウェッジでは「SM6」の58度Kグラインドを使っていますが、「SM8」の58度Mグラインドを試してみたところ、意外にもこちらのほうが打ちやすいという発見もありました。Kグラインドだとアプローチでソールが突っかかる感じがするのですが、Mグラインドだと抜けがよく、距離感も合いやすくなりました。
バンカーショットが難しくなるのではないかと不安でしたが、それも問題ありませんでしたね。固定概念にとらわれず、自分にとって何がいいかを試してみることも大切だと感じました。
関谷さんは、状況に応じてクラブを使い分けるタイプのゴルファーです。チップショットのときはランニングを多用するためスクエアに構えやすい54度を、またチャックリを防ぐためにバウンス角が大きめのFグラインドをおすすめしました。ご本人は全般的にKグラインドがやさしいと思われていたようですが、関谷さんはシャローにヘッドを降してくるので、むしろ難しいライではバウンス角が小さめのMグラインドのほうがフィットしていました。
グリーン周りからのウェッジのショットには全般的に苦手意識があります。バンカーショットでは脱出できないことが多いし、アプローチではチャックリやトップのミスも出ます。「SM8」でいちばんバンカーショットが簡単だと言われているKグラインドを使ってみると、あまりにも上手にバンカーショットが打てるので自分でもビックリ。いつもはヘッドが砂に刺さってしまうのですが、このウェッジを使うと同じ打ち方をしていてもソールが滑ってくれて、ラクにボールをグリーンまで運ぶことができました。自分の打ち方ばかりが悪いと思っていましたが、ウェッジの性能で何とかなるものなのですね。「SM8」にはスチールシャフトが装着されていて重めでしたが、その重さがむしろバンカーショットでは打ちやすく感じられました。アプローチでもバウンス角の大きいモデルのほうが、私にはミスに寛容でやさしく感じられました。
シンプルにウェッジを使っていただくために、どんなライの状況でもスクエアにかまえやすく、バウンスの効果を得やすいKグラインドをおすすめしました。ミラーさんがお使いのアイアンはカーボンシャフトですが、男性に比べて腕力のない女性の場合、ウェッジに関してはある程度の重さがあったほうが扱いやすくなることがあります。そこで、軽量スチールシャフトを試してもらったところ、ショットの安定性が格段にアップしていました。
フィッターのコメント
菊地さんは距離の打ち分けが苦手ということで、ロフトギャップを見直しました。PWと54度の30ヤードの飛距離差を埋めるために、50度を入れることをご提案。15ヤードの飛距離差になるロフト構成(4度ピッチ)にすることで、距離の打ち分けが容易になりました。また、ダウンブローの強いタイプでしたので、バウンス角が大きめのDグラインドをおすすめし、ショットに安定感が生まれました。