“ど真ん中”の重さと振り心地 「MODUS3 TOUR115」は軽量化時代の新定番シャフト

日本シャフトのアイアン用スチールシャフト「N.S.PRO MODUS3(モーダス3)」シリーズより、
5モデル目となる「TOUR 115(ツアー115)」が登場した。
シリーズにおいて中間重量帯のポジショニングとなる最新モデルは、フィーリングや弾道にどのような特徴があるのか。
実際に歴代「モーダス3」を使用してきたという石井良介プロが試打を行い、その性能について解説する。

石井 良介

NAVIGATOR
石井 良介(いしい・りょうすけ)

1981年生まれ。PGAティーチングプロ。トラックマンを使った最新理論やデータに基づくレッスンが好評。
最新ギアにも精通し、ゴルフメディアの試打企画などでも活躍。

石井プロ
インプレッション

最新モデルとなる「ツアー115」を石井プロが実際に試打。
中間重量帯となるモデルはどのような特長が見られるか?

  • 「モーダス3」シリーズ5モデル
    真ん中の重量帯

    新たに「ツアー115」が加わり、「モーダス3」シリーズは「105」、「115」、「120」、「125」、「130」の5機種になりました。モデル名だけを見ると「『105』の次に軽いシャフト」と思われがちですが、実際にはSフレックス(以下同)で118.5gと、「120」(114g)よりも重量があります。「125」(128.5g)と「130」(124g)よりは軽いため、5機種の中ではちょうど真ん中の重量帯になります。

  • 弾道やスピン量を含む全要素
    真ん中のポジション

    実際に打って感じるのは、重さだけではなく、フィーリングも“中庸”ということ。歴代の「モーダス3」シリーズは、良い意味でフィーリングの“味付け”が濃いモデル。例えば「『120』は打ちやすいけど、『130』は自分に合わない」など、ゴルファーによって好みがハッキリと分かれていました。

  • その点、「115」は切り返し時の粘り感やしなり戻りのスピード感、弾道の高さ、スピン量など、どれをとっても「モーダス3」全5モデルの真ん中のポジションにあるイメージです。

  • 幅広いゴルファーにマッチする
    “新基準”

    あらゆる要素が “ど真ん中”ということは、幅広いゴルファーにマッチする可能性が高いということ。『115』は、今後の新定番、新基準になり得るシャフトといえます。

歴代
「モーダス3」シリーズ

試打比較

石井プロが歴代「モーダス3」シリーズの試打を行い、
「115」との違いを比較した。

#7iron 試打計測データby TRACKMAN

画面を左右にスワイプしてご覧ください

モデル ヘッドスピード ボール初速 打ち出し角 バックスピン量 キャリー 飛距離

ツアー115

ツアー115試打計測データ
37.5m/s 52.0m/s 19.7° 6505rpm 159.7yd 165.1yd

スチールの新定番となりえるど真ん中の「ツアー115」

シャフト特性が現れやすい「モーダス3」シリーズの中で、切り返し時の粘り感やしなり戻りのスピード感、弾道の高さ、スピン量など、どれをとっても真ん中のポジション。最新ヘッドにもマッチしそうで、幅広いゴルファーに合いそうです。

ツアー105

ツアー105試打計測データ
37.3m/s 51.4m/s 21.1° 6924rpm 154.9yd 159.0yd

クイックに振って叩ける軽硬モデル「ツアー105」

最軽量(S=106.5g)の「105」ですが、「115」と比較すると剛性の高さを感じます。クイックなスイングで叩きにいっても、インパクトでシャフトが暴れません。「もう少ししなりを感じたい」という人は「115」の方が振りやすいかもしれません。

ツアー120

ツアー120試打計測データ
36.8m/s 51.0m/s 19.1° 6380rpm 156.9yd 163.1yd

中間から先 がゆったり動き高く上げやすい「ツアー120」

「120」は、ダウンスイングで中間から先端にかけてゆったり動くフィーリングです。程よく球がつかまり、スピンが入るので球をラクに上げてくれます。実際の重量は「115」よりも多少軽いですが、粘り感がある振り心地なのでズッシリ感があります。

ツアー125

ツアー125試打計測データ
36.9m/s 51.5m/s 17.9° 6567rpm 158.1yd 164.4yd

シャープな動きで球筋を操作できる「ツアー125」

「125」はシャープに動き、良い意味で余計な仕事をしない印象。「球を潰して打ちたい」など、プレーヤーの意図をダイレクトに伝えることができるので、ストレスなく球をとらえられます。基本的な振り心地は「115」と似ていますが、重量が軽いため「115」の方がしっかりとした感覚です。

ツアー130

ツアー130試打計測データ
36.6m/s 50.3m/s 17.9° 6272rpm 154.9yd 162.3yd

手元剛性&先端挙動で高く打ち出せる「ツアー130」

「115」と比べると、シャフト挙動も弾道もまったくの別物です。「130」は手元側に剛性感があり、先端が動くモデル。打ち出しの瞬間から球が上がり、スピンが入りすぎません。対して「115」は手元側に程よいしなりを感じ、ハンドファーストで打てる挙動なので、スピンがしっかり入る感じです。

TRACKMAN

TRACKMAN(トラックマン)

高性能弾道測定器「トラックマン」。飛距離やスピン量、ボール初速などの詳細な弾道データを測定することができ、世界中の多くのツアープロが練習時に使用。また、レッスンやギア検証でも使用されることが多い。

石井良介が日本シャフト担当者に聞く
「ツアー115」の
開発意図ターゲット層

「モーダス3」シリーズの試打を終えた石井プロが、
日本シャフトのプロモーション担当・栗原一郎氏に、開発の意図やターゲット層などを深堀りした。

“ドライバーシャフト軽量化”の
トレンド変化に合わせた重量帯

  • 石井プロ
    石井プロ

    「ツアー115」はどんなコンセプトで開発したシャフトですか?

  • 日本シャフト栗原一郎さん
    日本シャフト
    栗原一郎さん

    2014年頃ですが、トッププロや上級者から「アイアンシャフトに求めるもの」を聞くと、「ストレスなく弾道の高低を打ち分けたい、イメージ通りに球を左右に曲げたい」という声がありました。

  • 石井プロ

    「意のままに操れるシャフト」を求める声が多かったわけですね。

  • 日本シャフト栗原一郎さん

    そのニーズを受けて開発したのが「ツアー125」でした。当時は、「イメージ通りの弾道が打てる」と多くのゴルファーから高評価をいただきました。ただ、クラブトレンドの変化があり、それがドライバーの軽量化でした。

「モーダス3」5モデルで
全ゴルファーを網羅

  • 日本シャフト栗原一郎さん

    スイングタイプやヘッドタイプで見ても、「ツアー115」が5モデルの中で一番、幅広いゴルファーが扱える特性を備えています。

  • 石井プロ

    もちろん、今でも重いシャフトを求める声もあるので「125」や「130」も現役モデル。「モーダス3」シリーズの最軽量である「ツアー105」や粘りで飛ばす 「120」も、同じく現役モデルということですね。

  • 日本シャフト栗原一郎さん

    「モーダス3」シリーズの5モデルで、現代の全てのゴルファーが求める重さ、フィーリング、そしてヘッドタイプをカバーできると考えています。

試打会情報