Vol.03Diamana TB

試合で使いたくなる!
そう思わせてくれるシャフトです

Date:2020.09.18

今回は実際に『Diamana TB』を試打してみてパフォーマンスを検証することにする。テスターは女子ツアーでも活躍している井上莉花プロ。ドライバーの飛距離は約250ヤード想定で女子プロの中ではかなり飛ぶ部類に入るが、ヘッドスピード的には一般成人男性とほぼ同等。そんな彼女が進化した次世代シャフトの『Diamana TB』をどう評価するのだろうか。

井上プロが現在使用しているシャフトのスペックは50g台でフレックスはS。シャフトに関しては正直あまり詳しくないと言う井上プロだが、自身の好みは明確で「あまり動きすぎないシャフト」とのこと。要するに自分が振った分だけきっちり動いてくれるシャフトで、ある程度しっかり叩けるタイプが好み。

まずは軽量帯の40g台からテストしてもらった。するとプロ自身が最も驚いた感覚が1発目から出た。
「ちょっとナメていました。私のイメージですけど、軽量帯のシャフトで軽くポーンと振ればいいのかなくらいに思っていたんです。でも実際に振ってみるとしっかり振り込んでいかないとダメ。軽いシャフトにありがちな弱々しさがなくて、軽いのにしっかり振っていかないといけない。だから走る感じもそんなにしないけれど、左に行きそうな強さも感じない。しっかり振っていけると言う面では私の好みにマッチしているかもと感じました。」

井上プロも自分にとってのベストのシャフトを見つけるために、常日頃からクラブやシャフトのテストは行っている。ただ、40g台やSRやRといったスペックはほぼ試したことがなかったとのことで、それで勝手なイメージだけが先行していたよう。しかし、これまでの軽量帯のシャフトはヘッドスピードがある程度ある人にとっては振り心地の軽さやインパクトでの当たり負け感があったのは事実で、井上プロが持っていたイメージはあながち間違いではない。それを1発目から『TB』は払拭させたわけだ。

40g台でフレックスをいくつか試したもらった後に、50g台をテスト。自身が現在使用しているシャフトと同じ重量帯なだけに比較はしやすいが、どのような感想を持ったのだろうか。
「40gである程度特徴はつかめていたので想像通り振りやすかったですね。いい意味で少しシャフトが助けてくれる感じが50g台になると出てくるのかなと感じました。」
井上プロが言う「助けてくれる感じ」とはインパクトでボールを押し込める感覚のこと。井上プロの好みは動きすぎないシャフトなので、そのあたりは敏感に反応する部分だが、『TB』に関しては悪い意味での動くフィーリングではなく、インパクトでちょっと助けてくれる感じがあった。そのあたりの感覚は自身のスイングスピードとシャフトがマッチしたことで、シャフトの私なる動きが少し入るようになったからだろう。
「頑張らなくていいと感じましたね。自分の思い通りにシャフトが動いてくれて、それでいてヘッドも思い通りの位置に動いてくれる。だから自分がイメージしているインパクトポイントでしっかりボールをヒットできている感覚がありました。そこに少しシャフトが助けてくれる感じがあるので、楽に飛ばせる感覚が持てました。」

実際にデータ的には50g台が最もよく、ボール初速も出て、キャリー、トータル飛距離共に伸びていた。40g台になると速く振れるのでヘッドスピード自体は速くなっていたものの、平均的なデータでは50g台が井上プロにはマッチする結果となった。

(プロフィール)
井上莉花(いのうえ・りか)
1993年生まれ。茨城県出身。プロ転向は2014年で愛らしい笑顔と歯切れのいい物言いで人気。YouTubeチャンネル「 井上莉花のStance tv.」では飛ばし屋対決など様々な企画を展開。トーナメントに出場しながらゴルフメディアを中心に幅広い分野で活躍中

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