PGA TOUR COLUMN 1

シルバラードを制する条件は?
過去のスコアデータを解析する

PGAツアーの2021-22年シーズン初戦「フォーティネット チャンピオンシップ」が、9月16日に米国カリフォルニア州北部のナパバレーで開幕する。今年5月の「全米プロ」で最年長メジャー優勝を飾った50歳のフィル・ミケルソンが早々に出場を表明するなど、今後も多くのトップ選手のエントリーが予想されている。

開催コースのシルバラードリゾート&スパは、北コース(7166yd)と南コース(6612yd)を有する36ホールのセミプライベート・リゾートコース。トーナメントで使用する北コースは1955年に開場し、名設計家のロバート・トレント・ジョーンズや、メジャー2勝のジョニー・ミラーの改修を経て現在に至る。ツアープロのみならず、いろいろなレベルのゴルファーが楽しめる設計となっているゴルフ場だ。

シルバラードでは過去に1968年から1980年までPGAツアー競技を開催。2014年秋の本大会からトーナメントコースに復帰し、今年で8年目となる。今回は、過去7年間のスコアデータ分析により見えてきた、シルバラードにおける試合展開の傾向や特徴を紹介する。

2014年大会を3位タイで終えた松山英樹。シルバラードで存在感を放った(Robert Laberge/Getty Images)

優勝&予選通過スコアの傾向は

まずは優勝者(年齢は優勝当時)と通算スコアを並べてみよう。優勝スコアは平均16アンダーを超えており、いずれも2桁アンダーを記録する争いとなっている。

2020年:スチュワート・シンク(47歳)
21アンダー
2019年:キャメロン・チャンプ(24歳)
17アンダー
2018年:ケビン・ツエー(30歳)
14アンダー
2017年:ブレンダン・スティール(34歳)
15アンダー
2016年:ブレンダン・スティール(33歳)
18アンダー
2015年:エミリアーノ・グリージョ(23歳)
15アンダー
2014年:ベ・サンムン(28歳)
15アンダー

2019年に優勝したキャメロン・チャンプはツアー屈指の飛ばし屋だが、ほかの優勝者は飛距離ではなく、アイアンの切れ味を武器にしてスコアをまとめるショット巧者であることが目に付く。シンクに至っては、シニアに迫る年齢ながら21アンダーをマークした。

また、過去大会の予選通過ラインはすべてアンダーパーを記録。イーブンパー前後では決勝ラウンド進出が難しくなるコースであることが見て取れる。

2020年:5 アンダー
2019年:2 アンダー
2018年:3 アンダー
2017年:1 アンダー
2016年:3 アンダー
2015年:2 アンダー
2014年:1 アンダー

今年も決勝ラウンドに進むには、4つあるパー5でできるだけ多くのバーディやイーグルを奪うことが条件になるだろう。このうち9番、16番、18番の3ホールは同じ南西に向かって進むので、サンパブロ湾からの海風次第では、予選通過ラインが4アンダー、5アンダー前後のロースコアな展開になる可能性がある。

なお、近年の日本人選手では松山英樹、石川遼、小平智、岩田寛がシルバラードでプレーしており、最上位は松山が2014年に記録した3位タイ。優勝スコアに3打足りず、通算12アンダーで終えた。筆者はこのとき現地で取材をしていたので鮮明に覚えているが、4日間で17バーディ(5ボギー)、パーオン率は78%とショットの内容が濃い試合だった。

200yd越えの7番パー3。横風にも注意を払う必要がある

攻略のカギは難度が高いパー3

攻略のカギを握るのは、18ホールの難度ランキングで上位に並ぶ4つのパー3となりそうだ。スコアカード上の距離と、前年大会の各ホールの平均ストローク数をもとにした難しいホール順は次の通りとなる。

2番ホール :240ヤード(18ホールで2番目に難しい)
7番ホール :212ヤード(同3番目)
11番ホール:182ヤード(同6番目)
15番ホール:189ヤード(同5番目)

前年覇者のシンクは息子のレーガン君をキャディに採用し、2009年「全英オープン」以来11年ぶりの優勝で話題を浴びたが、実は勝因のひとつはパー3の攻略だった。4日間16ホールでボギーはなく、7つのバーディを奪ったことで優位に立ち続けた。

シーズン開幕戦は例年、ランキング上位の常連たちに加え、下部ツアーから昇格した若手や、正式なツアーメンバーになって間もない海外の実力者が加わることが多い。今年の開幕戦「フォーティネット チャンピオンシップ」も、スコアを伸ばし合う熱戦になることは間違いないだろう。

アンディー和田

アンディー和田

1968年生まれ。米国在住のゴルフジャーナリスト。米アリゾナ大卒業後はプロゴルファーとして活動し世界を転戦。青木功や中嶋常幸らのキャディを務めた経験がある。ジャンルを問わずゴルフに幅広く精通し、トーナメント解説やアナリストとして活躍。近年はジュニアゴルファーの指導や育成にも力を注ぐ。

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