ワールドランキングNo. 1※のスコッティ・シェフラーや
2025年悲願のグランドスラムを達成したローリー・マキロイの偉業を支え続けているパターが、
テーラーメイドの「スパイダー」シリーズです。
今回はその開発史を振り返りながら名手に信頼される理由を大考察。
また、最新モデルの特徴やテクノロジーについても紹介します。
※2025年10月1日現在
ワールドランキングNo. 1※のスコッティ・シェフラーや
2025年悲願のグランドスラムを達成したローリー・マキロイの偉業を支え続けているパターが、
テーラーメイドの「スパイダー」シリーズです。
今回はその開発史を振り返りながら名手に信頼される理由を大考察。
また、最新モデルの特徴やテクノロジーについても紹介します。
※2025年10月1日現在
CHAPTER 1
テーラーメイド ハードグッズプロダクト担当
田中 桂
KAY TANAKA
2025年のゴルフマーケットに旋風を巻き起こしているのが「スパイダーZT」、いわゆるゼロトルク系のニューモデルです。スパイダーの持つミスに対する寛容性と、独自のピュアロールを継承し、ゼロトルクが新しい選択候補に加わりました。スパイダーZTのユニークな点は、パター自体に動きの意志がないこと。そのため、「パターをどう動かすかのイメージがわかない」ゴルファーにとって、ZTのような動きに癖がないモデルは扱いやすく感じるでしょう。現在パッティングに悩んでいる方、従来パターで今ひとつ結果が出ない方は一度試してみると強い味方になるかもしれません。

動きに癖のないスパイダーZTは
パッティングに悩んでいる方におススメ
CHAPTER 2
ここではスパイダーの最新モデルについて、
「新製品レポート」の試打担当でお馴染みのコウタロウと、
GDOゴルフショップのバイヤー石原が、
それぞれの視点で紹介します。
「新製品レポート」試打担当
コウタロウ
KOTARO

初代スパイダーを初めて使ったとき、「めちゃくちゃいい!」と思ったのを鮮明に覚えています。その後いくつか歴代モデルを使いましたが、現在は「スパイダー ツアー トラス TM2 トラスセンター」を使用しています。このモデルはなにも考えずにヘッドを引いて戻すだけでラインに対して真っすぐボールを打ち出せる点が気に入っています。スパイダーと他の大型マレットとの違いは、シンプルに「カッコ良さ」。大型マレットはもっさりとした印象を受けがちですが、スパイダーから受ける印象はつねにスタイリッシュ。
トレードマークともいえるボディに引かれた1本のアライメントで構えやすさも抜群です。最新モデルの「スパイダー ツアー」はとにかくオートマチック、そして「スパイダー ツアーX」はそこに操作性がプラスされています。「スパイダーZT」は、未来のクルマのようなデザインが秀逸です。
GDOゴルフショップ
ハードグッズバイヤー
石原 健太
KENTA ISHIHARA

テーラーメイドのスパイダーシリーズは、GDOゴルフショップで根強い人気が続く、いわばマレット市場の“標準”といえるパターです。魅力はなんといっても“再現性の高さ”にあります。スパイダーは慣性モーメントが大きく、同じ距離感、同じ方向性を再現しやすいので、3メートルのパッティングを3回打って、3回とも入れることができる。そんな心強いパターです。また、プロの使用率の高さも人気の理由でしょう。特に最近は「スパイダー ツアー X」に注目が集まっています。個人的にはパターは実際に構え、使ってみてこそその良さが分かると思います。ぜひ試打サービスなどを利用してみて、自分にぴったりのスパイダーを見つけていただきたいです。
圧倒的なデザインセンスで
先入観を打ち破った初代スパイダー
「スパイダー」が誕生したのは2008年のこと。当時はディスクアライメントを採用したモデルが一世を風靡し、いわゆる、“ネオ・マレットパター”の開発にメーカー各社がしのぎを削る時代でした。そんな熾烈な開発競争のなか、頭ひとつ抜け出すことに成功したのが「スパイダー」です。ミスヒットに強い“やさしさ”の追求。つまり、高慣性モーメントパターの先駆者としてツアープレーヤー、そして世界中のゴルフマーケットに認知されました。
今でこそ“ネオ・マレット”というカテゴリーが確立されましたが、当時は大型マレットを「異形」「変形」と敬遠する風潮もありました。その中で「スパイダー」は圧倒的なデザインセンス(構えやすさ/安心感)と抜群の転がりの良さでゴルファーの先入観を打ち破りました。
2008年に登場した初代モデル
「ロッサモンザ スパイダーAGSI+」
ピュアロールを極め、
進化を続けるフェースインサート
“ピュアロール”と表現される「スパイダー」の一貫した転がりの良さは、独自のフェースインサートから生み出されます。初代モデルでは「AGSI+」というチタン合金インサートを採用。打ち出し時のバックスピンを抑える独自の溝構造によって、インパクト直後から順回転を始める理想のストロークを実現します。
この“打った直後から順回転”を目指すフェースインサートの研究は途切れることなく続けられ、最新モデルにはサーリン(80%)とアルミニウム(20%)の複合インサートを採用。45度の角度で下向きに切られた溝によって、さらに効率的に順回転(トップスピン)が得られるようになっています。
最新のフェースインサートは
ツアープレーヤーの打感・打音の好みを反映
スパイダーの“やさしさ”は
すべてのゴルファーに
最新モデルとなる「スパイダー ツアー X」「スパイダー ツアー」を机に並べてみると、ネックパターンや重心設計(深度)の違いによってトゥハング(重心角)が異なることが分かります。一般的にはトゥが地面方向に向いているほどストローク中のアーク(円弧)が強くなりやすく、フェースが上を向くほどアークが弱くストレート軌道になりやすい。これはパターそれぞれが持つ“動きの癖”になります。プレーヤーも同様、それぞれが癖(ストローク中におけるフェース開閉の大きさ)を持つため、スパイダーは誰にでも合うように、パターの癖とプレーヤーの癖を合致させる設計を続けてきました。それにより、より一貫性があるストロークを実現してくれるのです。
各モデルで重心角が異なるので、
プレーヤーの癖に合わせて選択ができる