コブラから「KING Forged Tec アイアン」と「KING Forged TecX アイアン」の2機種が登場した。
シャープなヘッド形状ながら、大きな飛びとミスヒットに強い中空構造を特徴とする新モデルの実力とは?
ゴルフテックの三田貴史コーチによる分析と、アマチュアゴルファーが行った試打ラウンドから性能を検証する。
コブラから「KING Forged Tec アイアン」と「KING Forged TecX アイアン」の2機種が登場した。
シャープなヘッド形状ながら、大きな飛びとミスヒットに強い中空構造を特徴とする新モデルの実力とは?
ゴルフテックの三田貴史コーチによる分析と、アマチュアゴルファーが行った試打ラウンドから性能を検証する。
素材と製法は、「KING Forged Tec アイアン」(以下、Tec アイアン)が軟鉄の鍛造ボディ&フェース、「KING Forged TecX アイアン」(以下、Tec Xアイアン)はステンレスの鋳造ボディ&鍛造フェース。
「Tec アイアン」はトップラインとソール幅をより薄めに設計。「Tec X アイアン」はヘッド下部のウェイトを45g増量し、フェース高を下げた低重心モデル。さらなるストロングロフト化(7番=27度)により飛距離性能が向上。
三田コーチ:2モデルに共通する見た目の印象は、「中空らしくない顔をしている」という点です。中空アイアンといえば、厚めのトップブレードやボテッとしたフォルムを想像しがちですが、ともにクラシカルな形状で非常に構えやすいですね。「Tec アイアン」はよりシャープな顔で、「Tec X アイアン」はやさしさを感じる顔をしています。
三田コーチ:打感についても、良い意味で中空アイアンらしくありません。手応えがあり、爽快な弾き感が得られるフィーリングは、中空構造とは思えない完成度です。「Tec アイアン」はインパクトでボールがフェースに乗ったあとに弾く打感。「Tec X アイアン」はインパクトでフェースに乗る時間がやや短い分、爽快に弾くフィーリングを味わえます。
三田コーチ:一方、中空アイアンらしさを持ち合わせていることもポイントです。例えば、低重心設計のロングアイアンでもラクに球が上がる性能を秘めている点。また、寛容性の高さがあるため、打点がブレても飛距離のロスや左右の曲がりを最小限に抑制してくれます。「Tec アイアン」はコントロール性があり、「Tec X アイアン」にはオートマチック性があることが特長といえます。顔と打感が良い上にやさしさと飛距離性能があるので、幅広いゴルファーにマッチするはずです。
アスリート派からエンジョイ派まで、幅広いタイプのアマチュアゴルファー4人が「Tec アイアン」「Tec X アイアン」の2モデルで試打ラウンドを行った。特定のパー3ホールではマイクラブとの打ち比べも実施。番手選びや狙いどころに、どのような違いが出たのだろうか?
平均スコア:95
ドライバー平均飛距離:275yd
ドローヒッターなので球を右に打ち出すのですが、普段はミスをすると、そのまま右に飛んでいくプッシュアウトが出てしまいます。しかし、今回試打した2モデルは「タイミングがズレた」、「芯を外した」と思っても、右にすっぽ抜けることがなく、しっかりと球がつかまってくれました。また、ミスショットしても飛距離を稼げるので助かりますね。
飛距離性能はどちらのモデルも高く、パー3(約150yd)では自分のクラブよりも1番手短いクラブで打てました。どちらも甲乙つけがたいですが、より手応えのある打感を味わえ、よりコントロール性があって抜けの良さもある「Tec アイアン」の方が私の好みでした。
平均スコア:100
ドライバー平均飛距離:240yd
ロングアイアンに苦手意識があります。球が上がらないし、ミスをすることも多いので、ラウンド中は、よっぽどライの良いときか、林の中から脱出するときくらいしか出番がないんです(笑)。今回試打した2モデルは、私でも5番アイアンでしっかり球を上げることができました。ミスヒットしても、どちらも真っすぐ飛んでくれることにビックリ。
自分のクラブなら“右ペラ”になりそうなインパクトに対して、真っすぐ前に飛んでくれます。どちらかを選ぶなら、シャープだけどやさしい顔で、インパクトの弾き感がある「Tec X アイアン」方が自分に合っていると感じました。
平均スコア:105
ドライバー平均飛距離:240yd
100を切れるかどうかという腕前ですが、カッコいい顔のモデルが好み。シャープなヘッド形状のアイアンを選ぶとミスをすることが多いのですが、今回の2モデルを試打して驚きました。どちらもスッキリした顔なのに、打ってみるとミスヒットに強くて球が上がりやすいし、フィーリングもいい。
中空アイアンと聞いていたので「ポーン」と抜けたような打感かと思っていましたが、「Tec アイアン」には手応えがあり、「Tec X アイアン」には手応えと弾き感がありました。どちらも魅力的ですが、よりやさしく飛ばせる「Tec X アイアン」を使いたいです。
平均スコア:88
ドライバー平均飛距離:245yd
どちらも顔が良く、違和感なく構えられます。アイアンは弾道が低いことが悩みですが、2モデルとも打ち出しが高く、高弾道でグリーンを上から狙える印象。グリーン手前にバンカーがあっても、ピンをデッドに攻められるアイアンです。ミスヒットの強さも共通する大きな特長。
薄い当たりやトップ目でインパクトしても、自分のアイアンよりも曲がり幅が少なく、飛距離のロスがほとんどありませんでした。「Tec アイアン」はコントロール性が高く、「Tec X アイアン」はオートマチックに打てるモデル。私はシンプルにゴルフをしたいので、「Tec X アイアン」の方が自分のスタイルに合っていると感じました。
中空構造の「Tec アイアン」と「Tec X アイアン」だが、飛距離性能の高さに加えて印象的なのは、全てのテスターが「顔が良い」、「フィーリングが心地良い」と口をそろえたこと。また、ロングアイアンでもやさしく球が上がり、ミスヒットに強いという感想が多かったのは、中空アイアンの特長を最大限に生かしているから。
飛距離、顔、打感、やさしさ、上がりやすさ、飛距離性能など、アイアンに求められるあらゆる要素を満たす「KING Forged Tec アイアン」シリーズは、幅広いゴルファーに試してもらいたいモデルだ。「Tec アイアン」はワンレングスモデル(37インチ)も展開しており、スイングの再現性を追求するのなら選択肢に入れたい。