
メンタルとフィジカルバランスでゴルフを上達させる育成システムを学ぶ。心理学を応用したメンタルトレーニング方法を発信している。
「ゴルフはメンタルのスポーツ」と言われています。プレッシャーのかかる場面で平常心を失い、思わぬミスにつながった経験は誰にでもあるはず。好スコアを出すために大切なのは、次のショットへ向けた考え方と“気持ちの切り替え”です。そこで今回は、ゴルフメンタルの専門家でもある松本進コーチに、要注意なシチュエーションでの考え方や心構えについて教えてもらいました。
メンタルとフィジカルバランスでゴルフを上達させる育成システムを学ぶ。心理学を応用したメンタルトレーニング方法を発信している。
モデル業をこなしつつ、スコア90前後でプレーする腕前。メンタル面の改善法を模索中。
スタートホールのティショットは、気負わないことが大切です。たとえ練習場で調子が良くても、本番でも同じように打てるのは一部のトッププロだけ。100点満点中の30点でもオッケーと考えて、“前にさえ飛んでくれればいい”ぐらいの気持ちで臨むべきです。たとえミスショットしても、平均スコアが90の人であれば、1/90のショットでしかありません。2打目地点まで、堂々と前を向いて歩くことが次のナイスショットにつながります。
トラブルに陥った状況を目の前にすると、多くのゴルファーは“どうしてこんなところに打ってしまったのだろう”と自分を責めてイライラしてしまいます。後悔と苛立ちに支配されたまま次のショットに挑むと、ミスを取り返そうとして、さらなるトラブルを招いてしまうのです。こういう場面では、まずはひと息つくために深呼吸などして心を落ち着かせましょう。そして周りをよく見て、冷静な判断をすることが肝心です。
人間は、同時に多くのことを考えられません。ピンやハザードまでの距離、風の影響、ダフらないための打ち方、番手の力加減など、考えることが多いほど脳は混乱してしまい、いつもどおりのスイングができなくなってしまいます。たとえば、“フィニッシュまでクラブを振り抜いてピタッと止まろう”というふうに、何かひとつだけを意識して打つようにしてください。
バーディパットとダブルボギーパットにかける時間を比べると、たいていの人がバーディパットに長い時間を要します。より慎重になるためですが、時間をかけるほど体はどんどん硬直してしまいます。いつもスムーズに打つためには、時間のかけ方を同じにしておくべきです。打つ前のルーティン動作を決めておいて、どんなシチュエーションのパットでも同じようにやり抜くようにしましょう。
未来がどうなるのかなんて、誰にも分からないものです。先のホールのスコアを考えることにはあまり意味がありません。シンプルな気持ちで、次の一打だけに集中するようにしましょう。頭の中の時制が未来になっているときには、現在に戻す必要があります。“今の気温は何度だろう”とか“クラブの芯はこのあたりにあるな”など、スコア以外の目の前にあるアイテムや状況にフォーカスしてみてください。
人には考え方や行動のパターンがあり、そのなかで日常生活を送っていたり、ゴルフをプレーしたりしています。もし今がうまくいっていない状態であるのなら、普段のパターンをわざと崩したり、自分で意識して新たなパターンを取り入れたりする必要があります。スコア向上を目指すのなら、これまでのゴルフで経験した良くないパターンを把握し、気分転換を活用して脱却することが大切です。今回紹介したような考え方を、新たなパターンとして取り入れてみてください。