ティグラウンドに立つと、「水の魔術師」と対峙した一日の最終ホールにふさわしい光景が広がる。フェアウェイと大池がそれぞれ左斜めに配置される対角線設計だ。プレーヤーはその日のコンディション、風、気温、湿度…、あらゆる要素を複合的にとらえ、イマジネーションをその景観に重ね合わせる。その日のプレーを締めくくるティショットは、美しい自然のキャンパスに思い通りの球筋を描きたい。
18H・P5・555y ※ヤード表記はブラックティ
緩やかに打ちあげていくホールは距離感がつかみにくいもの。フラットさが特徴のアスレチックGCにおいて最も大きい7mの高低差だ。ティグラウンドからは特徴的な形状のクロスバンカーとガードバンカーが重なり合って見え、距離感を狂わせる。アップヒルのフェアウェイには至るところにアンジュレーションが。午後の斜光に照らされたコースは、起伏が強調され一層美しさを増す。
17H・P4・389y ※ヤード表記はブラックティ
広々としていて開放感のあるロングホール。ティショットでは池のプレッシャーはさほど受けないはず。伸び伸びとドライバーを使える数少ないホールだ。周囲の景色を水鏡に映す美しい池、広い空、そして対岸には最終ホールをプレーするゴルファーの姿も見えるだろう。「水は美観と戦略性を生む最高の演出材料」という設計理念を持つ「水の小林」らしいレイアウトだ。
15H・P5・536y ※ヤード表記はブラックティ
春になると左手にソメイヨシノが咲き並ぶ美しいミドルホール。セカンドショットは池越えになるが、プレーラインからグリーンが斜めに配置されるため、ピンポジションによっては長いクラブで止まる球を打たなければならない。距離感が難しいだけでなくショットの質を要求されるのだ。グリーンもアスレチックGCの戦略性の際立たせる要素のひとつといえるだろう。
9H・P4・376y ※ヤード表記はブラックティ
池にせり出すようなグリーンを狙って振りぬく。逃げる者には難易度の高いバンカーショットという代償が待ち受ける。池のプレッシャーに負けることなく勇気を持ってティショットを打てば、“アスレチックの女神”がほほ笑んでくれるに違いない。
8H・P3・184y ※ヤード表記はブラックティ
7番をシグネチャーホールにあげるプレーヤーは多い。目の前の大池を越えていくティショットは、単なる池越えでないところが、設計した小林光昭が「水の魔術師」といわれる所以だ。池の向こうのフェアウェイのその奥にはもうひとつ池が配置されている。ドライバーショットで方向性と距離感が問われるレイアウトだ。
7H・P4・425y ※ヤード表記はブラックティ
コースに寄り添うように配置された池、レンガ造りの橋が架かった浮島。自然と造形が調和する美しいホールだ。
6H・P5・560y ※ヤード表記はブラックティ
美しい池や一本木、白いガードバンカーが見事に調和した景観。しかし、ひとたびコースマネジメントに頭を切り替えた途端、その戦略性の高さを思い知ることになる。ティショットはどこに「置く」か。複雑な起伏を含むダウンスロープから横長の砲台グリーンをとらえるセカンドショット。全てのショットで高いテクニックが要求される。
4H・P4・384y ※ヤード表記はブラックティ
クラブハウスの正面に広がる練習場を後にして、昂揚感、緊張感を胸に「きぼうはし」を渡って1番ホールへ。ティグラウンドに立つとグリーンは見えず、ホールの全容は明らかでない。左ドッグレッグ。落としどころは限られている。
スタートホールから繊細さを求められ、決して飛ばしだけでは攻略できない今日一日のゴルフを予感させる。
1H・P4・408y ※ヤード表記はブラックティ