女子プロはコーチからどんなことを教わっているのか? 宅島プロ編 2010.10.21 公開

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なかなか見ることができない舞台裏!女子プロはコーチからどんなことを教わっているのか?

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インタビュー

「教えてもらうようになって大きな調子の崩れはなくなりました」

宅島美香プロと橋本大地コーチの出会いは、2006年。宅島プロがプロテストに受かった年のこと。

「この年のセカンドQTで、仲のいいプロと一緒に練習ラウンドをしたのですが、そのプロに付いて橋本コーチが来ていて、それが最初でした。その後サードQTでも一緒になって、そのときに橋本コーチにワンポイントアドバイスをもらったんですが、それがけっこう良かったんです。結果、ファイナルQTに行くことができ、また練習ラウンドで見ていただいて、ファイナルQTが終ったときには、もう『コーチになってください』という感じでした」(宅島プロ)

橋本コーチに学ぶのは、宅島プロにとっては本当に大きいことだという。

1986年6月21日生まれ、岐阜県出身。2006年プロ入会。アコーディアゴルフ所属。2008年にはステップアップツアー、IDECレディスカップ優勝。昨年はヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップで6位、中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで6位タイに入賞するなどし、賞金ランキング51位。

「教えていただいていちばん良かったのは、上から打つということ(次ページを参照)。メンタル面やコースマネージメントも大きいですね。やっぱり常に見ていただけるということで、あまり大きな調子の崩れというのはありません。もし教えてもらっていなかったら、けっこう好不調の波があったのではないかと思います。たまに2週間ほど見ていただけないときもありますが、そういうときは自分のなかで、『あれ、ここおかしいな』ということがあっても直せなかったりすることがあり、やはり来てもらうというのは大事なことだなと思います」(宅島プロ)

橋本コーチがいま宅島プロに「うるさく言っている」のが、コースマネージメント。それは宅島プロが比較的距離の出ない選手だからだという。

「飛ばないからティーショットは必ずドライバーで打たなければならないというのが彼女のなかにあって、でもちょうど彼女のボールが行くところには、左右にバンカーがあったりします。そのバンカーの間のフェアウェイに打つのは確率が低くなるので、ロングホールならばスプーンでバンカー手前に打って、そこからまたスプーンで打っても、サードショットは1クラブか2クラブしか違いません。そのあたりの考え方ですね」(橋本コーチ)

「距離を出したいから、ロングホールなどではどんどん前に行こうとしてしまうんです。打てるだけ打って、でも得意ではない距離が残ってパーを取れないということもあるので、必ずフルショットできる距離に残しなさいと言われます」(宅島プロ)

1972年10月13日生まれ、福岡県出身。富士OGMエクセレントクラブ伊勢大鷲コース所属。2000年には日本プロゴルフ選手権で、日本男子ツアーにデビュー。近年はツアープロのコーチとして活躍しており、2008年には横峯さくら選手のコーチを務める。現在は、宅島プロや櫻井有希プロらを指導している。

また、橋本コーチはトップ選手との違いも指摘する。
「あとはグリーンの狙い方ですね。僕は横峯さくら選手を教えたことがあるんですが、彼女から僕は学びました。あれぐらいのレベルの選手でさえ、ピンを直接は狙わないんです。たとえば、ピンが手前のときに、9番でぴったりの距離だったとしても、彼女は8番でグリーン奥の広いほうに打ったり、逆にピンが奥で、8番がぴったりだったとしても、9番で手前に乗せたりします。ピンが右のときは絶対に左に打ちますし、左のときは右に打つ。もうどんなときも、危険を回避するんです。勝負がかかったときでも、安全なほうに狙っていく。それを逆に宅島選手は、がむしゃらにピンに行くので、ボギーが出る確率が多くて。だからその辺をすごくうるさく言っていますね」

宅島プロも、橋本コーチの言葉を認める。
「ピンしか見えなくなるんです。ピンの周りはやっぱり危険なところが多いので、そこから寄せられなくてボギーになりやすいですね。プロになる前、こういう考え方がなかったというわけではないんですが、アマチュアの試合はそれほど距離もないですし、グリーンも止まります。ラフも長くないですし。なので、それほど危険ではなかったんです。それがプロのセッティングになると、ラフも深いし、グリーンも硬い。プロとアマチュアの試合はまったく違います。考え方もガラッと変わります。プロとアマの違いを本当に感じますね」