最終更新日 2007年7月19日

「腕時計の聖地、スイスへ」〜バーゼルワールド&ジュネーブサロンにて、世界の名だたる腕時計ブランドの最前線を追う〜第3回「時計づくりの伝統が息づく町、ル・ロックルへ」

スイス屈指の時計工房、ルノー・エ・パピを訪ねて

[写真] ルノー・エ・パピイメージ フランスを背にするジュラ山脈のふもとジュウ渓谷は、18世紀ごろから時計の生産地として繁栄を極め、今もなお時計づくりの伝統が息づく土地である。
  その周辺にあるル・ロックルという小さな町にたたずんでいるのが、スイス屈指の時計工房、「RENAUD&PAPI(ルノー・エ・パピ)」。老舗時計メーカー、オーデマ・ピゲが出資する、時計の超複雑機構、とりわけトゥールビヨンの開発を得意とするムーブメント製作会社である。ここで製作されたムーブメントは、すべて1000万円を超す最高級クラスの時計として、世に送り出されるのだという。
  今回のレポートは、スイス複雑時計の最重要機関として知られるルノー・エ・パピの内部に迫る。

BRAND FEATURE ヴァシュロン・コンスタンタン ジャパン CEO. Alexandre James氏へインタビュー

[写真] 浜口尚大(はまぐち たかひろ)氏 ルノー・エ・パピのメンバーで唯一の日本人男性である、浜口尚大(はまぐち たかひろ)氏(30歳)に会うことができた。彼は高校卒業後にスイスに渡り、時計学校を卒業した後に入社。ムーブメントの設計・開発を担当している。

 浜口氏の案内で工房の中に入らせてもらうと、意外にも出迎えてくれたのは、熟練の技術者ではなく30〜35歳程度の若い時計師たちだった。
「ルノー・エ・パピは、若い時計師にどんどんチャンスを与える会社です。設立から20年間、複雑時計に関するノウハウが蓄積されているので、ここで働く時計師は経験を短縮しながらその技術を引き継げるんですよ。」と浜口氏は言う。

[写真] トゥールビヨン・クロノグラフ組み上げイメージ

 伝統的な時計技術はしっかりと新しい世代に引き継がれ、最新のテクノロジーと融合することで、革新的ムーブメントを生み出しているのだ。

 浜口氏が得意とするのは、超複雑機構であるトゥールビヨン・クロノグラフだという。
  設計する際に重要視していることは?と尋ねると、こんな答えが返ってきた。
  「“現実感”ですね。軸の直径が0.3mmしかないような極小のパーツもありますから、時計師がちゃんと組み上げられるかが問題です。この“現実感”を極力意識しないと、設計し終わったときに、全然組み上げができない時計になってしまいますから。」
  頭の中に浮かんだイメージをコンピューターで図面におこし、それをまた3次元で設計していく。歯車のひとつひとつに至るまで緻密に頭の中で組み上げるのだから、とても想像できない世界である。

 引き出しの中から取り出して見せてくれたのは、浜口氏が設計した複雑時計。昨年ジュネーブ・サロンで発表された「ミレネリー MC12」のプロトタイプである。素材にカーボンやアルミを使ったモダンな設計。この超複雑時計が彼の2作目だというから驚きだ。

 2007ジュネーブサロンで発表されたオーデマ・ピゲの新作にも、浜口氏の設計によるタイムピース、「ジュール・オーデマ・ジャンピングアワー・ミニッツリピーター」が登場した。高い精度を誇るミニッツリピーター(現在時刻を音で知らせる機構)とジャンピングアワーを融合した、美しい旋律を奏でる新世代のミニッツリピーターモデルである。

AUDEMARS PIGUET新作
[写真] ジュール・オーデマ・ジャンピングアワー・ミニッツリピーター AUDEMARS PIGUET
ジュール・オーデマ・ジャンピングアワー・
ミニッツリピーター
材質:ピンクゴールド

バーゼル&ジュネーブ発表、最新モデルをご紹介

[写真] ミレネリー デッドビートセコンド 伝統と美学・魅惑のミレネリーAUDEMARS PIGUET
ミレネリー デッドビートセコンド
材質:ピンクゴールド
世界一優雅なダイバーズモデルBLANCPAIN
フィフティ ファゾムス
材質:ローズゴールド
[写真] フィフティ ファゾムス
[写真] スピードマスター50周年記念モデル スピードマスター50周年記念モデル
スピードマスター50周年記念モデル
材質:ステンレススチール
黒に漂う艶、高貴の証明JAQUET DOROZ
グラン・セコンド セラミック エナメルダイヤル
材質:ブラックセラミック

[写真] グラン・セコンド セラミック エナメルダイヤル

世界のプロフェッショナルに訊く、最新腕時計事情

[写真] Mario Didone 氏Mario Didone 氏(イタリア)
ローマ市内の時計店のバイヤー。

ジュネーブサロンでもっとも驚かされたのは、A.ランゲ&ゾーネの「ランゲ31」という時計。なんと、31日間持続するパワーリザーブを搭載した時計を実現してしまったんですよ!しかも、手でリューズを回してゼンマイを巻くのではなく、昔の懐中時計のように専用のキーで巻く仕組み。逸脱もののアイデアですね。

[写真] 飯間康行 氏 飯間康行 氏(日本)
香川県で正規腕時計販売店を構える、<アイアイイスズ>代表取締役。

業界全体が高額化していましたが、今年は30万円台の価格帯でデザイン性や機械のクオリティの高い時計が見られるようになりました。一部のメーカーが、時計が好きな人たちが身近に感じられるモデルの開発に再び力を入れ始めているのです。これはお客様に腕時計を紹介する立場である私たちにとっても、喜ばしい傾向ですね。

[写真] 日高晃一 氏 日一 氏(日本)
宮崎県で正規腕時計販売店を構える、<日本店プロショップ>代表取締役。

どのブランドもレディースモデルが面白くなってきましたね。昨年まではクオーツが主流でしたが、本格的な機械式の時計が充実してきました。それでいて、文字盤は作りこまれた、本当にきれいなものが多い。やっぱりレディースはこうでなくてはと思います。注目はオーデマ・ピゲ。女性用のプチコンプリケーションが豊富です。

[写真] Haruko Maruo Meixner 氏Haruko Maruo Meixner 氏
(アメリカ)

ニューヨークに在住するアンティークウォッチディーラー。

「オメガマニア」というオメガアンティーク時計のオークションに参加するためにスイスにやってきました。ジュネーブのホテルと、バーゼルワールドの会場、そして世界中からインターネットで同時に入札できるという、画期的なオークションなんです。オメガのアンティーク時計はコレクター市場でも再評価されています。

世界最大の腕時計見本市バーゼルワールド、そしてカルティエを中心としたリシュモングループが率いるジュネーブサロン。この腕時計の二大聖地が、一年間の時計業界を占うのにもっとも重要なショーであることは周知の通りだ。しかし、これらの場を借りることを選ばず、単独で発表会を実施するブランドもある。例えばフランク・ミュラー・ウォッチランド社が開催するWPHHが有名だが、H.モーザー、リシャール・ミル、F.P.ジュルヌなど、大手グループに属さないメーカーも然り。ホテルなどに設けられた特設会場や自らのアトリエで発表会を催し、独自に磨き上げた技術力を披露して時計ファンを唸らせた。
18世紀に誕生したスイス時計産業の伝統を継承する一方、新世代のムーブメントを創造するメーカーが、未来を切り拓いていくだろう。

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