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オレンジと黒の2色12ページ。タイトルに『もしも2メートルが8割入ったら……』とあり、それを受ける形で『8割なら楽勝でトップアマになれるらしい』とある。さらにリードで『2メートルのまっすぐなライン、アマチュアなら5割入れば上出来。6割入れば、30台でまわることができるという』と書いてある。
トップアマでなくてもいい、憧れの30台プレーヤーでいい。それには2メートル6割でいいらしい。このコピーはかなり気になる。
ほんとう、か?
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実験した堀越プロがかかえている一升瓶は銘酒腰古井。全国銘柄のどうでもいいような無個性の酒でないのが素晴らしい。
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タイトルで、えっ? まさか? と興味を喚起されると、思わず手が出やすい。もっとも最近の一般週刊誌のように、扇情的なタイトルのわりに内容が薄く、羊頭狗肉に陥っているのは詐欺である。買ってから後悔することが多い(詐欺は詐欺でも上手く騙してくれれば、それはそれなりに、してやられたかとニンマリできるのだが)。
本企画はどうか。添えられた写真に、日本酒の一升瓶がカップにすっぽり嵌っている。キャッチに『カップには一升ビンが入るんです。知ってた?』とある。
絵で見せてくれた非日常性(カップに一升瓶が入っている光景なんて、普通はお目にかかれない)に、それだけ大きいのだから……言外のささやきが聞こえてきそうだ。
そして……一升瓶の大きさってあれだろう……で、2メートル6割だろう……やれそう、できそうだ……否、それくらいならできる、やれるかも……いやがうえにも『期待と希望』は入道雲のように膨らむ。
結論を先に言えば、ページをめくって、期待以上のものを得た気がする。
例えば、一升瓶を使ったパット練習の数々。実験したプロもびっくりした一升瓶でできる距離感と方向、タッチの強さ、芯打ち、集中力の磨き方は、読後早速、台所から一升瓶を引っぱり出して『実験』したほどだ。
特に、立てた一升瓶の栓を抜き、そこにボールを乗せ、2メートル離れたところからパットして一升瓶に当てる練習は、実際にやってみると、ちゃんと一升瓶のセンターに当たれば簡単にボールが落ちる。
『真っ直ぐ強め』とは、こういうことか。それがよく体感できる。打っては落ちるボールを拾い上げ、リセットして何度でも繰り返す。普通なら10分もやればうんざりしてしまうパット練習が、30分たっても飽きない。これは、新しい『発見』だった。
他に一升瓶を横に倒して、底をヒットする練習や逆に栓を狙う練習も、これまたやってみると結構ハマってしまう。
もともとパット練習は単調で面白くないもの。練習は楽しくなくちゃ、ということを再認識させてくれた。
これだけでも買った甲斐があろうかと思うのだが、続いてページでは、全日本社会人で最小パット記録を持つ神津さんが、「パターは550グラム以上の重さがあって、日本人には31インチがいい」と言い、日本アマ常連でプラス1ハンディの村松さんは、「左手でボールを(カップ)から取れば引っかけない」という、無意識世界に言及したマル秘テクニックを披露してくれている。
比嘉プロは「ねじ込みたかったら、右カップ内側狙い」の理由を解説。
さらには自他共に認めるパット名人のトップアマ7人による必中テクニックやゴルフ場支配人氏が明かす、「(芝が伸びるから)午前と午後では最大30センチは転がる距離が違う」ことや、カップの中の円筒で見分ける傾斜判断法、エッジで分かる芝目の話などなど。
いずれも実戦の現場から導きだされたものだけに、そうか、なるほど、ふむふむ、納得の独り言がもれる。読後に「お得感」が残ること請け合いである。
話は戻って。 以前、とある雑誌で自営業某トップアマが毎日50球連続カップインしないと寝ないと豪語していたことがあった。
TVは、ご飯は、風呂はどうするんだ。サラリーマンだから風呂敷残業もあるし、家族との会話欠落は将来に禍根を残しそうだ。とてもじゃないが、そんな真似はできないと思った。
でも、本誌によれば、2メートルを8割、否、6割で30台だ。
それなら可能かもしれない。早速、裏の商店街に新たな一升瓶を買いに出かけた。経済的理由から節酒を強く求める家人に、これはゴルフの練習器だ、と言い放つ快感。これは酒飲みゴルファーにぴったりの、嬉しい、楽しい、役立つ、2色12ページでもある。
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