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2005.9.05
WATCH 週刊GD 8月9日号



見出し お手本どおりになぞるだけじゃダメなんだ。



 「教科書どおりじゃ上手くなれない」のキャッチフレーズで、ツアー界の個性派スウィングに迫ったのが、 週刊ゴルフダイジェスト9月13日号の巻頭レッスン『オレ流最強論』(カラー16ページ)。「確信なる自己流は、自信なき正統に勝る」という名言を残したのは、あのハイフィニッシュで一世を風靡したアーノルド・パーマーだが、確かに、昔も今も「エッ、あのスウィングでOKなの!?」という個性的なスウィングのプロゴルファーがいた。身の回りにも、奇々怪々なスウィングのシングルがけっこういる。スウィングの美しさとスコアの関係? これは永遠のテーマかもしれない。

 あるベテラン記者が嘆いていました。

「昔ほど遠くからスウィングを見ただけで、誰とわかるプロが多かった。今はスウィングを遠くから眺めたら、みんな同じに見えて区別がつかない。特に男子ツアーはその傾向が年々強くなるね」と。

 そこで、この特集を開くと、まず往年の懐かしい個性派スウィング(オレ流)の名手が、まず並ぶ。

誌面イメージ写真
強いオーラを発する「オレ流」の名手たち。
彼らは自分の打球から、スウィングを作り上げていった


 ニクラス、パーマー、トレビノに青木功、そして伝説のボールストライカー、モー・ノーマン……。そう、スウィングの美しさを褒める言葉が『スウィンガー』だとすると、彼ら個性派の名手はみんな『ボールストライカー』なのである。

 ゴルフは、もちろん、スウィングの美しさが採点されるスポーツではなく、使い古された言葉を使えば『上がってナンボ』のゲーム。

 その目的のために、教科書的なお手本の中から、自分に必要な要素をピックアップしてアレンジを加えていくと、どんどん個性的になっていくかもしれない。

 続く見開きでは、米国女子のニュースター、ポーラ・クリーマーの『個性派』スウィングの紹介。

 よく見ると、あの女子プロ界随一の飛ばし屋ローラ・デービーズと、インパクトでジャンプする動き方が、よく似ている。多分、ボールをハードヒットしようとしてきて同じ使い方になってきたんだろうなぁと一人で納得。

 で、ページを次々とめくっていくと、表純子、藤野オリエ、茂木宏美、藤井かすみと続き、トリは服部道子と女子プロ個性派がずらりと並んで、それぞれ自分の「アタシ流」を自己解説。

 一昔前の女子プロに技術を聞くと「先生の言うとおりやってるだけですぅ」という答えが帰ってくることが多かったが、いやあ、みんなきちんと語っています。

 トリの服部道子のノーコックスウィングの解説などは、実に己を知っているなぁと感心した。

 で、冒頭の嘆きに戻ると、男子ツアーと女子ツアーの勢いの差が出てきたワケが、ここでも見える。スウィングのきれいさ、飛距離は男子のほうが上だろうが、より優れたボールストライカーになりたいという意志と実行力で負けている……。




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