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2005.5.23
WATCH 週刊ゴルフダイジェスト5月31日号



見出し 素振りをなめるな!



 てめぇ、この野郎! ……あら、はしたない言葉でごめん遊ばせ。練習場に行くと、ついムキになってしまうんですよ。同じような年齢や体格をした同姓のゴルファーを見かけると、その人より飛ばしたい、という欲求が湧いてきませんか? 気づくとほら、全身にムキムキと力が入り、無闇やたら、遠くへ飛ばそうと必死になってしまうわけです。相手は軽々とクラブを振って、飛距離を出しているんだから、くやしいじゃありませんか。

 「だよな~」とうなづいたあなたは、週刊ゴルフダイジェスト5月31日号の『素振りだけで上手くなる』(モノクロ8ページ)を開いてみよう。

誌面イメージ写真
何百球を打つより、素振りの方が効果が高い!?

 クラクラと惹かれるサブタイトルは『3カ月続ければシングル入りだ』。絶大な効果をもたらす「素振り」の方法を、体験者であるプロやシングルゴルファーたちが紹介している。中には毎日素振りを続け、初ラウンド「89」、それから3カ月後の5回目のラウンドで「76」のスコアを出したという強者もいる。

 今年のレッスン・オブ・ザ・イヤーの受賞者である、増田哲仁氏によれば「素振りは、自身の『教科書』となるスウィングを作る作業」とのこと。プロコーチの井上透氏も「良い動きを素振りで覚えれば、悪い動きが自ずとわかる」とプッシュしている。

 定着したスウィングを身につければ、いい球と悪い球、それぞれが飛び出す理由見えてくるようだ。本当に必要な課題が見つかれば、練習場でたまたま出会ったゴルファーに、余計な対抗意識を持つこともなくなるだろう。

 飛距離だけを気にしてナイスショットを出しても、意味はない。いざコースへ出たときに、そのときのスウィングを思い出せるかって、出せないよなあ。球の行方しか覚えていないんだから。

 それでは、練習で理想通りの球を打ったとしても、その球は、その場でバブルとなってはじけているのと同じこと。つまり、しゃぼん玉を吹きに練習場に通っている? ……気抜けしてしまう……しょぼん。

 そうとなれば、素振りで効果を出してやろうじゃないか。で、その方法は?

 まず、素振りの目的とは何か。スウィングの「連続的な動作の流れをつか」み、「自分の体が気持ち良く感じるスウィングを作る」ことだと、前出の両者は口をそろえる。

 ボールに当たった、飛んだを意識しないためにも、「アドレスからではなく、フォロースルーやフィニッシュから開始すると」いい(増田氏)そうだ。さらに「ゆっくり」と素振りした方が「流れを身体に記憶させ」やすいという。

 また、効率をよくするためには、「頭とお尻だけは動かさないという制約を設け、この範囲で、テンポや振り幅を変えながら、自由に素振りをするのが良い」(井上氏)。

 どうやら、地味なイメージの素振りで、派手な開花ができそうだ。期待に胸がはずんできたら、同誌の他の企画からも素振りのヒントをいただこう。

 レッスン漫画『新モダンゴルフ』(モノクロ9ページ)の最終ページにある『今週のワンヒント』。読者からの質問に、江連忠プロが回答してくれるコーナーだ。

 今回の悩みは「スウィングがカッコ悪い」。きれいなフォームに直したいけれど、何をどう変えればいいのかがわからないという相談だ。

 これに対し、江連プロは、「理想とする選手の『リズム』を真似ること」と答えている。この「リズム」だけは、アマチュアでもプロのスウィングを「すぐに真似できる」唯一の点だという。

 どうせなら、ゴルフが上手くなったと評価されるだけでなく、スウィングがきれいだ、とまで褒められたいものな。

 ……やっぱり周囲は気になる。この分では、スウィング作りに成功しても、今度はコースで、同伴競技者に闘争心をメラメラ燃やしてしまいそうだ。次はメンタルを養わないと。ああ、降り積もる課題で頭は混乱だ!




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