開場50周年を契機に、老朽化したハウスを建て直した。
せっかくの新築にこれまでのゴルフ場にない思い切った発想を取入れ、
森のなかに佇む白い美術館のようなクラブハウスとなった。
「オーナーの知人ということで、丹下都市建築設計に依頼して、今までのゴルフ場クラブハウスにないハウスをということで、森の中に佇む白い美術館というコンセプトで設計してもらいました」(総支配人・高橋憲一氏)
内、外ともに白を基調とした建物は、明るくカジュアルであるだけでなく、清潔感が漂う。ガヤガヤと多くの人が集うというよりは、すっきりとした閑静な佇まいである。そうした雰囲気は、アイアンヘッドをイメージさせるような、ハウス全体の奇抜な形状によるものでなく、ハウス内の調度に重厚なものは使用せず、天井をむき出しにし、一見厚い鉄板のような梁を見せる(これは実は布で覆ってカモフラージュしているのだが)。そしてレストランの椅子を黒と半透明の2種類に統一し、あえてプラスチックの軽く無機質な感覚をだすなど、とかく温もりを強調することの多いゴルフ場クラブハウスとは対極の設定が生み出しているのだろう。一方で、レストラン全体ではパントリーの角を茶色に、カーペットを緑とすることで、芝と樹木を象徴するといった演出もなされている。
もちろん雰囲気面だけでなく、浴槽にラジウム石を使って、溜まったお湯が温泉さながらに軟らかくなるように工夫されていたり、空調関係の主体をガスにして効率化を図るなど、新しいハウスらしく細かなところにも気配りが施されている。
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