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PGA競技出場資格、つまり
シード権はどうやって決まる?

いちばんカッコいいのは終身シード


横山が最後の1ストロークにこだわった理由

12月8日に大京オープンが終わって、96年の賞金ランキングが決定。同時に97年ツアーの出場資格、いわゆるシード権も決まった。96年は最後の1ストローク、96万円差で、シード入りを果たせなかった横山明仁や、62位につけていた室田 淳(写真)が、大京で予選落ちしシードを失った。

シード権がなぜそんなに話題になるのか。じつはこれがプロには死活問題なのである。プロにとってシード権は職場を確保するようなもの。出場したくても出場資格がなかったり、主催者推薦がなければ、メシの種である賞金を稼げない。稼げなければクエない。

しかも、シードというのは結構シビアなもので、たった賞金ランク1位違うだけの61位でも、運悪く予選会でランク下位になってしまうと賞金を稼ぐチャンスがグッと少なくなる。

シードを取れば、ほぼ全試合に自動的に出場できる。それだけシード選手は優遇されている。いわばプロのエリート集団なのである。だからこそトーナメントの残り試合が少なくなる11月から12月にかけてランクを一つでもあげようと必死になる。

ジャンボのシード資格は11種類

ところが、トーナメントに出場できるプロはマネーランキングによるシード選手だけかというとそうでもない。ジャパンプロやジャパンオープンのメジャーに優勝した者、日本マッチプレーや日本シリーズに優勝した者なんかは、ご褒美として5年とか10年のシードが与えられる。

もっとすごいのは73年から25勝した者に与えられる終身シード。誰がこの資格を持っているか、当然、ジャンボや青木、中島がそうだが、倉本と杉原もそうである。この人たちはエリートのなかのエリート。役所でいえば事務次官 大会社でいえば会長や社長みたいなもの。この超エリートが万が一賞金ランク100位なんて低迷してもな-んも心配はいらない。

もっとも、超エリートたちは当然、ジャパンプロやジャパンオープンに優勝したり、年間に複数優勝したりしてシードの権利がいくつもダブっている。それだけ抜きん出てトーナメントで活躍しているともいえるのだが。

ちなみにジャンボの重複している権利をあげると、先にあげた終身シードの他、ジャパンプロ優勝の10年シード、ジャパンオープンの10年、フィランスロピーの5年、日本シリーズの5年、賞金ランク1位にあたえられる5年シード、年間4勝以上の5年シード、生涯獲得賞金3億円以上の10年シード、生涯獲得賞金25位以内の1年シード、PGAツアー優勝の2年(24ヵ月)シード、それに賞金ランク60位以内の1年シードと、むちゃくちゃスゴイ(終身シードだからこんなもん数えても意味ないけど)。

この反対といっては失礼だが、エリート集団に加わろうとしている集団、返り咲こうとしている人達にもチャンスは与えられている。裏シードと呼ばれるグローイングや後援競技のマネーランキング上位者。それに予選会の上位者など。

とくにグローイング、後援競技での賞金ランク上位3名はシード選手としての資格が得られる。来季はグローイングでは佐藤信人 加藤 仁 芹沢大介の3人、後援競技では平石武則 宮本勝昌 伊藤正己の3人が立派なシード選手になった。

16試合以上出場しないとランク対象にならない

ところで、マネーランク60位までに与えられるシードは、今年の場合、63位までに与えられたが、それはなぜか。「知っているよ」という読者は置いといて。じつは出場した試合数が16試合に満たない人は勘定にいれないという規定があるから。

今年は日本オープンに優勝したテラベイネン、カシオで優勝したスタンコウスキー、太平洋で優勝したウエストウッドがランクから除外されて、かわりに61位の溝口英二 62位の林根基 63位の森茂則がシードに滑り込んだというわけだ。

じゃあ上記のテラとスタンとウェはせっかく優勝したのにシードはもらえなのか。それは公認競技に優勝したご褒美で、優勝したトーナメントの翌週から2年のシードを与えられるのでご心配なく。

ここで尾崎直道の件に触れておこう。直道は7千万円稼いでランク6位なんだけど、9試合しか出場していない。なのにマネーランクでのシード権を獲得している。なぜか。「知ってるよ」という人、これはもう"ギョーカイ通"だね。業界でメシ食ってる"おじさん"は知らなかった。

話はさかのぼって95年、直道はシードがなかった(アメリカ遠征のため)ので、96年は主催者推薦の8試合と前年15位以内のトーナメントにしか出られなかった。つまりどう頑張っても規定の16試合に達しない。

せっかく海外に遠征してゴルフ界を活気あるものにしようという意気があっても、これじゃ不公平だしゴルフ界のためにもよくない。そこで、こういうケースは試合数が足りなくてもシードの対象にするという、粋な規定があるというわけ。

この規定は次回に説明する、統一予選会で出場した選手にも当てはめられる。要するに物理的に16試合に出られない選手を救済するための措置。いや勉強になったね。

マネーランク93位の牧野がシード選手

それからマネーランク63位以下のプロのなかに結構、来季のシード選手がいる。ちなみに中村通、堀川昌利、山本善隆、藤木三郎、陳志明、牧野裕、合田洋などがそうだが、これもちょっと不思議。

たとえば、牧野裕。牧野は今年のランキングは93位、とてもシードには手が届かない位置だが、92年に生涯獲得賞金、3億円を達成して2002年までの10年シードを持っているからなんだね。

94年にジャパンプロ優勝の合田洋は2004年まで持っている。山本善隆は日本マッチプレー優勝と3億円プレーヤーの資格で98年まで、藤木三郎、陳志明も3億円での資格でそれぞれ2000年、2002年資格がある。

いまどき、通算賞金が3億円なんて、高額賞金が多いトーナメント界では取る人はすぐ達成してしまう。そこで、この規定は92年までに達成したプロにのみ適用されている。つまり2003年には廃止になる規定なんだ。