アルディラのローグと三菱レイヨンのクロカゲは、
PGAツアーで人気を二分するシャフト。
昨シーズン優勝者の、ドライバーシャフトのメーカーごとのカウントで、
三菱レイヨンは1位16勝、アルディラは2位13勝。このうちクロカゲが6勝、ローグは11勝を占める。
ともに飛距離と正確性を求めるトッププロたちに選ばれているシャフトだが、
果たしてアマチュアゴルファーが使って飛ばせるのはどちらのモデルなのか。
クラブフィッターの鹿又芳典さんが、アマチュア3名をフィティング。
もっとも飛ばせるモデルとスペックを見つけ出してもらった。

アルディラとは
アメリカを代表するゴルフシャフトメーカー。2013年に三菱レイヨングループとなった。
従来から米国男子ツアーでの使用率は高く、トッププレーヤーも使用する「ローグ」のブレークでさらに存在感を増している。

ROGUE & KURO KAGE 試打インプレッション KANOMATA’S IMPRESSION

IMPRESSION ROGUE

ALDILA ROGUE BLACK LIMITED EDITION 素直なしなりとスピード感が共存 スクエアな状態を長くキープする
基本的にはシャフトの中間がしなるクセのないモデルですが、しなり戻りにスピード感があるのが特徴です。大型ヘッドでもヘッドスピードを上げて振っていけるフィーリングを持つことができるので、ゴルファーやヘッドを選びません。とてもフトコロの深いシャフトです。
いちばんの魅力は、フェースをスクエアの状態に長く保ってくれるところ。ハーフウェイダウンから素早くヘッドがスクエアな状態に戻り、そのままフォローまでヘッドが抜けていくような感覚が得られます。
ALDILA ROGUE BLACK LIMITED EDITION 素強く振っても安定した挙動で 球筋をコントロールしやすい
手元に少ししなりは感じられますが、捻れるような感覚がまったくないシャフトです。強く振ってもスイング中にヘッドとシャフトの位置を認識しやすく、暴れるようなフィーリングにはなりません。プロユースのモデルだけあって、自分で球をつかまえながら弾道をコントロールしたいゴルファーに扱いやすい性能に仕上げられています。基本的には、左へのミスを嫌うヘッドスピードが速いゴルファー向け。球のつかまりを求めるゴルファーには、少しハードに感じられるでしょう。

IMPRESSION KURO KAGE

三菱レイヨン KURO KAGE XM ゴルファーのスイングや 球筋を選ばない優等生シャフト
切り返しでナチュラルに中間部がしなり、スイングに同調するようにしなり戻ってくるシャフトです。中間から先が少し動いて球をつかまえる補助をしてくれて、中〜高弾道を打ちやすい。フィーリングとしては素直なしなり感が特徴で、スイングタイプを選ばないシャフトとも言えます。昨年度から日本の女子ツアーでは50グラム台のプロトタイプが投入されていましたが、今年はそれが市販化されてラインナップに加わり、平均的なヘッドスピードの男性アマチュアゴルファーにも使いやすくなりました。
三菱レイヨン KURO KAGE XT 左への引っ掛けを恐れず、 低スピンの強弾道が打てる
もともとPGAプロに支給されていた人気のプロトタイプが、そのまま商品化されたのがKURO KAGE XTです。グリップの下あたりがしなる典型的な手元調子のシャフトですが、モタつくフィーリングにならないのが魅力。ハードヒッターが左へのミスを恐れることなく、低スピンの強弾道で飛ばせる性能です。三菱レイヨンのシャフトでいうと、従来からあるディアマナのホワイト(通称・白マナ)に近い挙動のシャフト。スライスしがちなアマチュアゴルアーには、少しハードに感じられるかも知れません。

TOTAL IMPRESSION ハリ感があって俊敏なローグと、マイルドに同調してくれるクロカゲ。

『ROGUE BLACK LTD』と『KURO KAGE XM』は、球がほどよくつかまって打ち出しの高さを出せるシャフト。『ROGUE SILVER LTD』と『KURO KAGE XT』は、左に引っ掛けづらくて強弾道を打ちやすいシャフトです。性能的には似ている2タイプに分けられますが、ローグとクロカゲではフィーリングに違いがあります。ローグは、シャフトに芯が通っているようなハリ感があって、しなり戻りが俊敏に感じられるのが特徴です。それに比べるとクロカゲは、動きにマイルドさがあってスイングに同調するように動きます。

試打して感じたのは、どちらにも飛距離と正確性が高次元で追求されているシャフトだということです。ローグとクロカゲのどちらを選ぶかは、スイングの相性とスペック、ゴルファー自身のフィーリングの好みによるでしょうね。甲乙つけがたい、というのが正直なところです。

ひとつ注意点としては、並行輸入で入ってきているクラブに標準で刺さっているクロカゲやローグは別物だということ。こちらはややアベレージゴルファー向けのコストパフォーマンスモデルです。例え安くても飛びつかないことです。

また、ローグシルバーLTDはアルディラのラボラインで製造されたプロトタイプバージョンのみ。80,000円(税抜)と高価です。こちらはややマニア向けの製品でしょう(笑)

クラブフィッター 鹿又 芳典

1968年生まれ。千葉県出身。クラブフィッター兼クラフトマンとして千葉県内でゴルフ工房【Magic】を運営。長年の経験と知識をいかしたフィッティングとクラフト技術は、プロを含めた幅広いゴルファーから絶大な信頼を得ている。クラブの性能評価においても優れたスキルを持ち、クラブの格付け企画「HOT LIST JAPAN」では審査員を務めている。

試打コメント

スピン量が減って飛んでいることにも驚きました

70グラム台は重いかと思いましたが、まったく違和感がなくて、とても振りやすかったです。普段は左右にブレるミスが多いのですが、ROGUE BLACK LTDだと球筋が安定します。計測した数値を見ると、スピン量が減って飛んでいることにも驚きました。

KANOMATA’S EYE クラブフィッター 鹿又さんのコメント

しなり戻りが早いROGUE BLACK LTDなら、 プッシュする心配なく強弾道が打てる

今林さんは、ダウンスイングでフェースを開きながらインサイド・アウトにクラブを振り抜いていくタイプ。調子がいいときには高めのドローで飛ばせますが、インパクトで手が前に出てしまうと右へプッシュするミスになります。普段は60グラム台のシャフトをお使いのようですが、70グラム台のほうがクラブの重さを活かせてスイングと球筋が安定します。しなり戻りの早いROGUE BLACK LTDのほうが右へのミスが出づらくなって、適正スピン量で飛ばせていましたね。

試打コメント

50グラム台だと、ヘッドスピードが 上がる感覚もありますね

柔らかいシャフトは方向性が悪くなる気がして避けていたのですが、KURO KAGE XMはSRのほうがタイミングを取りやすくて、まっすぐに飛ばしやすかったです。ワッグルすると柔らかいのですが、実際に振ってみるとそうでもありません。50グラム台だと、ヘッドスピードが上がる感覚もありますね。

KANOMATA’S EYE クラブフィッター 鹿又さんのコメント

ラクに振れて高弾道が打てる 50グラム台のSRをチョイス

山末さんは腕の上げ下ろしでスイングを主導していて、ヘッドが上から入ってくるタイプ。こういったスイングは、少しの打点のブレで球筋が不安定になってしまいます。ヘッドスピード40m/sぐらいで気持ちよくクラブを振って、安定したヘッドの入射角とスピン量を得るためにはKURO KAGE XMの50グラム台が最適。Sだと弾道が低めでしたが、SRだと打ち出し角が上がって飛ばせる適正弾道になりました。柔らかいシャフトでも曲がらないことに慣れてくると、もっとヘッドスピードを上げて飛ばせるようになるでしょう。XMは50g台のRからラインナップしているので、パワーに自信がない方にもお勧めできます。

試打コメント

左を気にせずに振っていけるのも 良かったですね

ROGUE BLACK LTDのほうが、ナチュラルにヘッドが降りてくる印象を持ちました。そのおかげで気持ちよくクラブを振り抜いていけましたね。KURO KAGE XMは少し柔らかく感じましたが、ROGUE BLACK LTD はしっかり感があって、左を気にせずに振っていけるのも良かったですね。

KANOMATA’S EYE クラブフィッター 鹿又さんのコメント

切り返しのタイミングのズレにも ROGUE BLACK LTDは対応してくれる

小野寺さんは、インサイドの低い位置からアッパー気味にヘッドが入ってくるタイプ。ヘッドスピードが速くてパンチ力もあるので70グラム台でもいいのですが、シャフトの重さに耐えきれずに過剰に下からヘッドが入るとチーピンのミスが出やすくなります。スイング軌道を安定させるためには、60グラム台のほうがいいですね。また、切り返しのタイミングがズレやすいのも小野寺さんのスイングの特徴です。切り返しが早くなったときでも、動きが俊敏なROGUE BLACK LTDならミスを補正してくれます

撮影協力:JAPAN GOLF SCHOOL(ジャパンゴルフスクール)
数値計測:「弾道解析機 GC2」