ゴルフでミスをする原因は、緊張や不安、迷いなどが生じたときに自律神経のバランスが乱れて普段のパフォーマンスを発揮できなくなるから。朝イチのティショットで緊張したり、ベストスコアを意識してプレッシャーを感じたり、ミスを引きずってしまうのも自律神経に因るところがあります。また、風の強いショートホールのティショットで番手選びに迷うことでもバランスは崩れてしまうのです。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立つもの。交感神経は緊張している時、ストレスを感じている時などに働き、副交感神経はリラックスしている時に働きます。交感神経が高ぶれば力みにつながりますし、副交感神経だけが高くても十分にパワーを出すことができません。好スコアを出すには、2つをバランスよく働かせることが大切なのです。

ではラウンド中、どのように自律神経を整えればいいのか。緊張して体が硬くなると、腕や足を脱力させてリラックスしようとする人もいますが、実は顔の筋肉が一番硬くなっているのです。スキージャンプの葛西紀明選手がメダルを取った時、「緊張していたのでジャンプの前に無理やり笑顔を作った」と言っていましたがこれは表情筋を緩めるのに効果的です。

私自身がゴルフで実践しているのはチョコレートを食べること。ポイントは噛み砕くのではなくアメのように舌で溶かすように舐めるのです。舌を動かすと表情筋が緩み、自律神経のバランス調整に効果が期待できます。実はアメでも試したことがあるのですが、溶けるまでに時間がかかりショットの瞬間にノドに詰まってしまったことがありました。やはりチョコレートがベターですね。

私がゴルフを始めて4年で70台を出しましたが、ショットのレベルは一般的なアマチュアゴルファーの皆さんとほとんど変わらないと思っています。そんな中で70台を出せたのはコツがあります。

例えば林に打ち込んでしまった時は360度見渡して、一番出口が広いところを探します。例えグリーンから遠ざかったとしても、最も安全な所に打つのです。ミスショットの原因のひとつは迷いと不安。「あの木と木の間を抜けるかもしれない。でも木に当たるかもしれない」と思って狙うショットはほとんど上手くいきません。不安を抱えながら打つよりも確実だと思えるショットを打つことがミスをしない秘訣です。

また、アプローチでは上りのラインを残すことを徹底させています。特に花道からの寄せなどは、「あわよくばカップイン」と狙って強く打ってしまうもの。しかし、オーバーしてしまえば難しい下りのラインが残ってしまい、そこから3パット……。というケースも珍しくありません。ですから、次の一打を考えてやさしいラインを残せるようなアプローチをしているのです。

林の中からのトラブルショットもピンの手前につける意識も、気持ちが乱れていると冷静な判断ができません。ラウンド中に想定外のことが起こってペースを乱してしまうのも同じです。リラックスして先を読む余裕があれば、「想定外」は「想定内」に変えることもできるはずです。それには、いかに自律神経のバランスを整えておくかがポイント。スコアメイクのカギを握る大切な要素なんですよ。