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上原彩子が見せた涙の説得力(3月22日)

上原彩子
最終日、義兄とのコンビでスタートを待つ上原彩子

高知市内の宿泊先のホテルから、「ヨコハマタイヤPRGRレディス」が開催された土佐カントリークラブへの行き帰りの道すがら、路傍には四国八十八ヵ所の弘法大師ゆかりの札所を巡礼するお遍路さんの姿がしばしば見受けられた。昨年、古閑美保の父・宏二郎さんが娘の賞金女王獲得を祈願してこのお遍路を行ったのはゴルフ界では有名な話。今週も娘の応援に駆けつけた宏二郎さんは、「懐かしいですね」と感慨深げに遠くを見つめた。

通常、徒歩で巡礼した場合は1200km以上を歩くことになる。これは安易な気持ちで達成出来るものではない。体験者の宏二郎さんは、「お遍路をする人は、体とか心を患っている人が多いんです」と、ポツリと言った。

今週は、そんな週だった。今年に入って胆石除去の手術をした福嶋晃子が今季初戦で予選通過の意地を見せれば、昨シーズン終盤に「ある日突然激痛が走った」という新崎弥生が、卵巣の腫瘍摘出手術後の復帰戦で4位タイと大健闘。「(体力に)まだ不安はあるけど、ここにいられる嬉しさの方が大きい」と、現場復帰を喜んだ。

そして、優勝した上原彩子は記者会見中に父の事に話が及ぶと、それまでの笑顔から一転、突然涙が溢れ出した。「今は退院していますが、あまり良くない病気です」。それ以上は話さなかったが、その場にいた人は十分に事を察した。

今年に入り、これまでマネージャをしていた義理の兄の露木文吾さん(36歳)をコーチとし、スイング改造から日々の時間管理まで徹底して取り組んだ。「私は沖縄人で時間にルーズなところがあるけど、ちょっとは改善したと思う」という上原。「いつまでも出来る仕事じゃないし、限られた時間でやっていかないといけない」と話すと、再び涙で言葉を詰まらせた。

みんなに同じだけの時間が流れていても、その濃度は人それぞれ。自分自身に照らし合わせて、改めて“時の価値”を実感させてくれた週だった。(編集部:今岡涼太)

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