|

石坂:お久し振りです。最近ゴルフはいかがですか?
森:久し振りです。冬には程ケ谷CCで、夏には軽井沢GCがほとんどでそれ以外はほとんど行ってないですね。 石坂:僕の叔父も“男たるもの、ゴルフクラブに複数入ってはならぬ"とよく言っています。
森:たくさん入ると親しい仲間が出来ませんのでね。今週末も連休を利用して軽井沢に行きます。金曜日の夜に到着して、月曜日の早朝に新幹線で帰ってくる。11月までは用事がない限り大低そうやって過ごす予定です。
石坂:相当おやりになっていますね。それは昔からのスタンスですか? 森:いえいえ、本格的にゴルフを始めたのは1999年にアクセンチュアが世界ゴルフ選手権のスポンサーを始めてからです。お客さまをご招待するうちにゴルフの機会が増えていき、本腰を入れてやろうと思ったのです。
石坂:それ以前はどうですか? 森:僕がゴルフを始めたのは、1973年、シカゴに1年間転勤した時です。アメリカのパブリックコースは、日本と違ってとても手頃な値段で回れる。2.5ドルくらいだったかな。だから土日暇になるとよく行っていました。日本に戻ってから本格的に始めるまでは、ひと月1、2回程度でしたね。
石坂:実は僕がゴルフに初めて触れたのもアメリカ、サンフランシスコです。親の仕事の関係で向こうに住んでいたのですが、子どもの頃から両親がゴルフに行く時、よく一緒に連れて行ってもらいました。それが一般の家庭では普通なのですよね。日本では考えられないけれど、子どもだけでも2ドルあればパブリックコースを回ることができるわけです。
森:欧米では日常生活にゴルフが浸透していますよね。 石坂:そうですね。日本ではプライベートよりもビジネスでのゴルフの方が多いような気がします。昔企業に勤めていた時、接待ゴルフや社内ゴルフが頻繁にあったのですが、ゴルフ歴が少しあるという理由で全部の幹事を任されてしまって。それはもう悪夢でした。だから、日本で社会人として体験したゴルフと、アメリカで子どもの頃に体験したゴルフとの間に大きなギャップを感じました。会長はそういう経験はおありですか?
森:僕は接待を意識してゴルフをしていないので、そういう経験はないですね。ただ、ビジネス絡みのゴルフが多いのは日本特有だと思います。アメリカでは接待ゴルフは少ないのじゃないかな。

石坂:よく欧米ではエグゼクティブ・コミッティーでゴルフをすると聞きますが?
森:ええ、多いですね。うちでもやりますが、ビジネスというよりもコミュニケーションを深めるためにやっています。ボードメンバーが顔を合わせるのは年に4回だけで、普段は電話でのミーティングが多い。だから、顔合わせの会議の後は、ゴルフをやって親交を深めようとするわけです。それを我々は「チーム・ビルディング」と呼び、グローバルな経営会議などの前後にも行なっています。
石坂:それは意思疎通をスムーズにする上で大きな影響力がありますね。
森:そうなんです。お互いの顔や性格を知っているというベースがあるからこそ、電話会議が成立するのですよ。知らないとどうしても違和感がでてきてしまう。ゴルフの最大の魅力は、そんな風にコミュニケーションを円滑にしてくれるところだと思います。お客さまとの間に壁ができていても、プライベートで一緒にゴルフをすると、壁が簡単に取れてしまう。一日一緒にいると人間関係を変えてくれるのです。
石坂:ビジネスで重要なのは、やはりコミュニケーションというわけですね。 森:ええ。だから部下にもよくゴルフを勧めています。それにゴルフには各々の性格が反映されるから面白いですよ。 石坂:プレースタイルに、ということですか?
森:そうです。たとえば元ソニーCEOの出井伸之さんなどはとにかくまっすぐ飛ばす。ワンショットでも早くホールの近くに行きたいというタイプです。ところがトヨタ自動車会長の張富士夫さんはスリーオンをきちんと決めて、打ち方も柔らかい。僕が力いっぱい振ると、張さんは「森さん、そんなに力を入れなくても一番手上のクラブを使えば良いですよ」とおっしゃる。それぞれゴルフの楽しみ方が違いますね。
石坂:成功した時や失敗した時にどういう態度をとるか。反応の仕方にも性格が顕著に出るような気がします。
森:バンカーになったらパニックになってしまう。それはビジネスのやり方の特徴と重なる部分があるかもしれないですね。
|