最終更新日 2006年12月12日

何でボールの表面には凸凹があるの?
「ボールの規格」に対応するために。
ゴルフボールの規格はすべて、イギリスのR&AとアメリカのUSGAが発行するゴルフ規則の中で、厳格に定められています。 これを無視したら、ヘッドスピード40m/sで300ヤード以上飛ばせるボールも作れますから(笑)。 その規格とは、重さ「45、93g以下」、直径「42、67mm以上」、初速「76、2m/sの+2%以下」。 さらに飛距離は「一定条件、一定器具を用いて320ヤード以下(キャリー+ラン)」、 打点位置による飛び方の差が一定以内であるという「対象性」というような項目があります。 これらの規格すべてをクリアしたボールが、公認球としてR&Aの発行する公認球リストに登録されており、 webサイト上で誰でも簡単に見ることができます。 さて、ここで疑問に思うのが「トータル飛距離の規制があるのに、どうして飛距離アップが可能なのか?」という点。 その理由を知っていただくためには、下のグラフを説明する必要ありますね。 まず、トータル飛距離規制の計測条件は、ヘッドスピードが53、5m/sというアマチュアゴルファーからするとかなり速い領域で測定される。 ヘッドスピードが遅くなると運動エネルギーも小さくなりますので、当然飛距離も出にくくなる。 しかし、この落ち方(=グラフ直線の傾き)を減らす(=直線の傾きを減らしフラットに近づける)ことは可能です。 これが実現すれば、ヘッドスピードが遅い人でもヘッドスピードが速い人と同じように飛ばせる「夢のボール」となります。 これにトライしているのが、最新テクノロジーのボールであり、値段の高いボールの付加価値であると言えます。 また、この恩恵はヘッドスピードが遅い人だけでなく、すべての人のアイアンショットでの飛距離アップや、 芯を外した時の飛距離ロスの改善にもつながります。
「高い、安い」で一番違う部分は?
「高い、安いでボールは何が違うの?」という質問を良くいただきますが、価格の差が仮に7倍だとしても7倍飛ぶわけではありません。 価格差の要因としてまずひとつ挙げられるのが、素材・構造・製法が違うからということ。 例えば、2ピースより3ピースの方が一層分パーツが多いので手間がかかっている。 その分、コストも高い。まあ、手間の部分でいうと開発コストという面もありますね。 また、第3話で「かつて1球700円だったボールが今ではダースで1500円程度になった」という話をしました。 その理由は、昔から作り続けているボールなので設備償却の負担、つまり設備に掛かったコストが回収できた時点で、 価格を安くできる余裕が生まれたということです。また近年、ボールの開発スピードが速まっているため、新しいボールが開発されるほど、 古いボールというのは同じ価値・値段では売れなくなってきます。だから価格を下げて売りやすくしている側面もある。 以上は、いわばメーカー側の言い分です。一方で皆さんが最も気にするのは、ズバリ「性能差」でしょうね。その違いですが、 実は高いボールも安いボールも、真芯で打った時の飛距離差はさほど大きくないんですよ。
『芯を外した時にどれぐらい飛ぶのか? という性能比較』
(数値はイメージ)
真芯で打った時 芯を外した時
低価格ボール 90% 70%
高価格ボール 100% 90%
上の数値はあくまでイメージですが、芯で打てば(どのボールもルールぎりぎりを狙っているので)安いボールでも飛ばないことはない。 しかし、このテストはロボットで打った場合での話。ゴルファーの実打では真芯で打てる確率は極めて低い。 マシンより実打の方が、芯を外した時のボールの性能差が大きく出やすいのです。 芯を外した時の性能差とはインパクトの効率が落ちることによるボール初速低下。 もうひとつは打点がズレることによる過剰スピン(サイドスピンが掛かる、バックスピン量が増える)。 そういった飛距離ロスの原因をカバーしてくれるのが高価格ボールの価値です。仮にボールを真芯で打った時のポテンシャルを100とした場合、 芯を外した時でも90を維持できるのが高いボール。その数値が70くらいになってしまうのが安いボール。 この差が高いボールの価値。それだけ芯を外したときでも性能が落ちないように工夫されているんです。
オフセンターヒット = ミスに強いボールとは?
本来のボール選びの観点からいうと「どのボールがオフセンターヒット = ミスに強いのか」……というのは、 ディスタンス系かコントロール系か、での違いが大きいんです。コントロール系のボールと比べると、 飛ばすことが開発基点になっているディスタンス系のボールの方が、芯を外した時に生じる過剰スピンが少なく飛距離ロスが少ない 「やさしい」ボールと言えます。あと、飛びというとみなさんの関心はドライバーの飛距離に向かいがち。 ですが、最近のボールはアイアンショットで、よりボール本来の性能差が実感できると思います。 いつも行くコース、同じホールで6番アイアンでしかグリーンに届かなかったのが、7番アイアンで届くようになった……。 というようにアイアンショットやアプローチでも「ボールの価値」を実感してほしいですね。
  グラフを見ると「ヘッドスピード依存の傾きを出来るだけフラットに近づける」というボールの進化が感じられると思う。 ヘッドスピードが低い人でも、ヘッドスピードが高い人と同じように飛ばせる。最新テクノロジーのボール、 つまりコストが高いボールは、「アマチュアの味方」ともいえるのだ。  
profile
平野 敦嗣
SRIスポーツ(株)ゴルフ営業部 販促・宣伝担当
1999年から2002年までダンロップゴルフボールの販売企画に携わり、その後「もっとエンドユーザーの方にゴルフボールの魅力を広めたい」との理由から2003年“ボールのソムリエ"として店頭販売の仕事に就く。
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