最終更新日 2006年10月31日

ボールが進化した“理由”
何回打っても反発力は低下しない
ドライバーショットのインパクトの瞬間でボールが受ける衝撃は1トン以上にもなります。 その衝撃によりボールは通常の3分の2くらいの直径にまで押し潰され、縦に伸びている格好です。 こうした変形を毎ショット繰り返しているのですが、変形に強い素材を使用していますので、 これによりボールの反発力が落ちることはありません。 ただ、何回も打っていることでボールの表面にある凸凹(ディンプル)が削れ、 それにより弾道が変わるということはあるでしょうね。ミクロン単位で設計しているディンプルが、 使用過多によりペイントが剥がれてきて、全体的に削れたような状態になりディンプルの凹みが浅くなったとします。 そうなったらボールの弾道は吹けあがりやすくなる。ボールが飛んでいる時に生じる空気の渦が、 よりボールを持ち上げようとする力を揚力といいますが、ディンプルの深さが浅くなると揚力が増えます。 その「揚力」は飛行機の翼と同じです。飛行機の翼は上面の圧力が下面より低くなるため揚力が生まれる。 翼の上面の圧力が低くなるのは、空気の流れが下面より速いためです。飛行機が滑走路で速度を上げると、 翼の上面の流れがどんどん速まり、圧力が下がって翼が上に引っ張られ機体が浮く。つまりボールのディンプルは飛行機の翼なんです。
ボールのウィークポイントは「温度」
「昔買ったボールがタンスの中から出てきたんですけど使えますか?」 というような質問をよく受けるのですが、5〜6年くらいは全く問題なく使えます。 使用していない状態の経年劣化はごく僅かですから。ただし、それはあくまでも通常温度で保管していた場合の話です。 例えばクルマのトランクの中にボールを入れていたりすると劣化は早くなる。 その理由はトランクルームの温度は夏だと特に上がるからです。 ボールは約70度くらいまで温められるとカバー部の樹脂が軟らかくなってくるんですよ。 例えば冬場。携帯カイロとボールを一緒にポケットの中に入れていたりすると、 カイロに当たっているところだけが平らに溶けてしまったりする。 ボールは60〜70度といった高温に弱いことを覚えていてほしいですね。 ロストボールも長期間直射日光による熱や紫外線を受け、性能が劣化している可能性があります。
進化したボール性能
ラウンド中、定期的に(例えば3ホールに1球とか)ボールを変えているプロの選手がいますけど、 それは3ホールで飛ばなくなるからということではありません。 それは「プレーにリズムを出す」というルーティンワークのひとつで、気分を変えているだけです。 10年前に比べるとボールの性能は進化しています。『DDHツアースペシャル』が登場してから今年でちょうど20年ですが、 当時1球700円だったのものが今ではダースで1500円程度。だから『素材とかケチっているんじゃないの?』と言われたりしますけど、 そんなことは一切ない。従来と同じ製法でも設備の償却などにより、コストを抑えて造ることができるようになった。 それだけ技術レベルが進化しているんです。
  プロのスイングスピードで計算した場合、ボールに当たる時のクラブ速度は時速200kmといわれている。 さらにインパクト時の衝撃は1トンを越える。つまりボールにはそれだけの衝撃に耐えるペイントが施されているというわけ。 硬いペイントでは衝撃に対し割れが生じてしまうし、軟らかすぎてもアイアンショットで削れ落ちやすくなってしまう。 ペイントひとつとっても、ボールは実は「ハイテクの塊(かたまり)」と言えるのだ。  
profile
平野 敦嗣
SRIスポーツ(株)ゴルフ営業部 販促・宣伝担当
1999年から2002年までダンロップゴルフボールの販売企画に携わり、その後「もっとエンドユーザーの方にゴルフボールの魅力を広めたい」との理由から2003年“ボールのソムリエ”として店頭販売の仕事に就く。
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