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ゴルフ野性塾SP

No.309 『アッパーブローに打つ?』 8/26 更新


ボール位置を内側に戻せない・・

アイアンの悩みです。当時、ドライバーはパーシモン、ボールを左足かかと線上に置いて、つぶして打っていましたが、メタルはアッパーブローにという流れで、徐々にボール位置が左足つま先寄りに移動しました。
同時に、アイアンのボール位置も左足寄りに、ミドルアイアンは左足かかと線上です。その結果、アイアンショットのダフリが増えるようになりました。ボール位置を内側に戻せばいいだけのことかもしれませんが、それが気持ち悪くてできません。すぐにしっくりいくボール位置の直し方を教えてください。

(東京都・33歳)


アッパーブローは行き過ぎのスウィングです

photo 基本眼線で申せばパーシモンも金属ヘッドも同じボール位置と思う。問題は何を優先と考えるかだ。方向性を重視すれば左肩支点のスウィングとなり、飛距離を重視すれば右肩支点のスウィングにはなる。

金属ヘッド、カーボンシャフトが誕生して飛距離への欲は強まり出した。クラブの売り筋が飛距離となって来た。15年前のスウィングと比べた時、肩の支点位置が左肩から右肩へと移って来ている事は否定できぬ事実である。

15年という短い期間で肩支点の位置を変えて来た金属ヘッドとカーボンシャフトの威力。流石と言えば流石であり、驚きと言えばこれ程の驚きもあるまい。150年間変わらなかった肩の支点位置を15年で一気に変えてしまった。

潰して打てとは左肩支点の基本スウィング観であり、アッパーブローに打てとは右肩支点のスウィング観であるが、アッパーに打ち始めて方向性の取りにくくなって来ているのも事実。

突然の大きな曲がり、今まで出した事のないスッポ抜け球、あるいはチーピン球、突然打球感の消えたインパクト等、総ては右肩支点のスウィングが生んだミスショットである。

プロはアッパーには打たない。ハンディ2までのアマの方もアッパーには打たない。アッパーに打つ必要性はどこにもないのです。練習場だけのスウィングならアッパーに打ってもいいが、ゴルフはコースでスコアを競うゲーム。アッパーに打ってたんじゃ、スコアは作れぬ。

photo 傾斜に対処出来ない。体重移動もスムーズじゃない。広いスタンスでも狭いスタンスでもフィニッシュで体重が右つま先に30パーセント以上残っているようではボールは曲がるし、飛距離も落ちる。

ボールを飛ばすのはスピードである。力みではない。右つま先に30パーセント以上残るスウィングは力みスウィングと思った方がよい。打ち終えた直後、体勢が崩れるのは右肩支点で打っている証し。左肩支点で打つスウィングにインパクト直前直後の崩れはない。

アッパーブローは行き過ぎのスウィングです。弊害多きスウィングだ。機に応じて打つスウィングである。木越えとか、高いボールを必要とする時、あるいはラフからのショットの時に役に立つ、臨時応急のスウィングです。

貴兄は右肩支点で打っていると思う。それで曲がらないのであれば問題ないが、ダフり始めているという事は曲がり始める前兆でしょう。スウィングも崩れて行くと思います。肩の支点位置を右から左へ戻した方がいい。アドレス時のボール位置を変えて行くも善し、ショートスウィングでスウィング矯正するも善しです。

ショートスウィングで矯正する手段が最善と思うが、ティアップしたボールを打って貰いたい。左腕を伸ばした左腕地面に平行のトップ位置、左腕と右腕を伸ばして右肩のよく回った右腕地面に平行となるフィニッシュ位置で打って欲しい。それで右肩支点のスウィングは左肩支点のスウィングに変わります。




この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

つづく
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目次
No.310 スタート前の練習に使う番手 (9/2) next
No.459 距離感をあわせるには・・・ (10/6)
No.458 バックスウィングは・・・ (9/29)
No.457 選手のマナーについて・・・ (9/22)
No.456 助言で崩れたら、新たな・・・ (9/15)
No.455 一途に6アイアンを打ち続けなさい (9/8)
No.454 素振りで上達する方法 (9/1)
No.453 夏のゴルフは無理をするな (8/25)
No.452 50歳を越えてからの練習法 (8/11)
No.451 咀嚼の力で・・・ (8/4)
No.450 球落ちの原因は・・・ (7/28)
     
   
 
坂田信弘

京大中退からゴルフを目指した異色プロゴルファー。主として週刊ゴルフダイジェストを根拠として漫画の原作、競技観戦記、レッスン書、レッスンビデオなど八面六臂の活躍をしているが、現在は次代のゴルファー育成のため開始したジュニア塾の塾長として脚光を浴びている。スウィング型を作るための「ショートスウィング」を提唱。
 
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