苦労人スワフォードだめもと出場からのV
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2020/10/20号
2020/10/26更新

苦労人スワフォード
だめもと出場からのV

 ドミニカ共和国で行われた米男子ツアーのコラレスプンタカナR&C選手権で33歳のハドソン・スワフォードが優勝した。ん、スワフォード? 失礼ながら、いったい誰……?

 全米オープン直後、しかもドミニカ開催とあってビッグネームが出場を見合わせた大会でスワフォードが逆転優勝。まったくの無名のように思えるが、じつは3年前のキャリアビルダーチャレンジで初勝利を挙げており、今回が2勝目。初優勝をきっかけに大きく羽ばたく選手もいるが、彼の場合はその逆。

 勝った翌年(18年)に肋骨を傷めてポイントランク156位に沈み、19年には追い打ちをかけるように右足に異変が。「われわれプロゴルファーは歩くことが商売。それなのに……」。違和感を覚え診察を受けると、右足の骨の一部が壊死していることが判明。骨の除去手術を受けたため、試合に出られない日々が続いた。

 18年には第一子が誕生した。これからというときにスワフォードを襲った悲劇は彼を奈落の底に突き落とした。20年は公傷制度が適用されたが出場機会は激減し、1月から7月の間に10試合に出て半分の5試合で予選落ち。「自信もなくして苦しかった」。ドミニカには「妻と一緒にバカンスのつもりでやってきた。ゴルフはそのついでみたいなものだった」という。

 なんの期待もせず出場した大会で初日から65の好スコアで首位発進。2日目もトップを守り、3日目は1打差の2位に後退したが、最終日は前半1イーグル、3バーディの猛攻で一気に後続に4打差をつけ圧勝ペース。

 しかし思うようにいかないのがゴルフ。後半に入ると13番で痛恨のダブルボギー。17番のバーディで1打リードした最終ホール、2・5メートルのパーパットを沈め辛くも勝利。「最後は自分とキャディの意見が分かれてフックかスライスか迷ったけれど芯で打ったら入った」というスワフォード。家で待つ息子ジェイムス君に優勝を「報告するのが待ちきれない」。

  
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