プロとアマチュアの境界がなくなりつつあるのが世界のスポーツ界の流れともいえるが、ゴルフもそうなっていくのは必然か……。
JGA(日本ゴルフ協会)は「アマチュア資格4-3」の「例外、JGAガイドライン」を廃止すると発表した。
4-3を要約すると「ゴルフ関連活動のための実費をこえない合理的費用を受け取ることができる」というものだが、4-3の例外として「営利団体から費用を受け取ることを禁止する」とある。今回、この例外を取っ払うということだ。
この理由をJGAは「現在の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ゴルフ界をいくことが考えられ、ゴルフ人口、新しいゴルファーの獲得、ジュニア育成といった従来からゴルフ界が抱える問題に、より悪い影響を与える可能性がある。このような状況下でゴルファーへの援助が制限されることはゴルフ界全体の利益にはならないと考え、JGAガイドラインを廃止した」と説明する。
この廃止により、アマでも「合理的費用」を企業から受け取ることが可能になったし、これまで以上に資金援助を受けられる。これらのことが新しいゴルファー獲得やジュニア育成に役に立つというわけだ。ただし、「4-3例外」以外のアマ資格規則は従来通り適用される。
このゴルフでのアマチュアイズム事情をUSGA(全米ゴルフ協会)ルールコミッティーの川田太三氏は次のように語る。「もともと、ゴルフの世界史でいえば、アマチュアが富裕層で『アマチュアはプロの生活の邪魔をしてはいけない』が不文律でした。しかし、現代はまったくそうでなくなっています。あの“アマチュアイズムの権化"ともされていたラグビーでさえプロ化されて久しい。プロとアマの違いが歴然としているのはゴルフだけともいえる状況になってしまいました。しかし、実はこれらの問題はUSGA、R&Aでは2、30年前から議題になっているんです。アマチュアが条件つきながら優勝賞金を受け取れるというルールになったのもこの一環でした」
なお、同ガイドラインの廃止により「プレーヤーができること、できないこと」「競技費用、ゴルフ関連費用に関する質疑(Q&A)」はJGAホームページにまとめられているので一読を。
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