タイガーの助言者。USGA初のアフリカ系理事が逝去
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2020/3/31号
2020/4/01更新

タイガーの助言者。
USGA初のアフリカ系理事が逝去

 ジョン・マーチャント氏が3月5日、87歳で他界した。日本ではあまり知られていないが……。

 マーチャント氏は、USGAの理事となった最初のアフリカ系アメリカ人だ。マイノリティのゴルファーのシンポジウムを何度も開催し、ここに集まったゴルファーのなかには、タイガーの父親のアール・ウッズ氏やアフリカ系女性として2番目にLPGAのメンバーとなったルネ・パウェルなどもいたという。そしてこのシンポジウムの結実としてナショナルマイノリティゴルフ財団を立ち上げ、後にUSGA理事となった。さらにさかのぼると、全米屈指の名門、バージニア大学のロースクールを卒業した初めてのアフリカ系アメリカ人でもある。

 また、タイガー・ウッズの良き相談役でもあり、プロ転向を助け、IMGやナイキとの契約へと結びつけた。また、近年日本でも知られるようになったファーストティプログラムの創始者でもある。ゴルフ界におけるあらゆる差別撤廃に大きな功績を残したと言っていいだろう。

 USGAのマイク・デービスCEOは「ゴルフの持つ公平さ、平等、スポーツマンシップといった価値観は、彼が生涯そのために戦ってきた理想を反映するもので、彼がゴルフに惹かれたのも当然のことだと思います。USGAは最初のアフリカ系アメリカ人の理事として、彼のような影響力を持つ人物を得ていたことを誇りに思っています」とコメント。

 現在、アメリカのコースで日本のプロやアマチュアゴルファーがプレーできるのは、人種差別やマイノリティの地位向上のために戦ったマーチャント氏のおかげともいえる。ご冥福をお祈りします。

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