ハワイが大変①スタッフの労働争議でテレビ中継てんやわんや
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2018/02/06号
2018/01/31更新

ハワイが大変①
スタッフの労働争議でテレビ中継てんやわんや

 ソニーオープンインハワイはパットン・キザーの劇的勝利で幕を閉じたが、その熱戦を放映する舞台裏はてんてこ舞いだったようだ。

 テレビ放映制作はゴルフチャンネルが、放映権を持つPGAツアーから委託されている。その同チャンネルのカメラマン、音声技術者によるストライキのため、最終日は映像が乱れたという。日本で同オープンを放映したのはNHKBS1だが、こちらもてんやわんや。カメラ台数が少ないため、アングルも単調で、編集には苦労し、いつもの質の高い映像は望むべくもなかったという。日本人を追うためのNHK独自のカメラがあったのはせめてもの救いだったようだが……。

 カメラクルー、音声技術者のストにもかかわらず、曲がりなりにも放映できたのには理由がある。米国で地上波を放映したのは米国3大ネットワークのNBCだが、実はこのNBCとゴルフチャンネルは合併していて「NBCゴルフチャンネル」として制作にあたっている。以前、米国フロリダに本社のあるゴルフチャンネルに勤務していた解説者のタケ小山氏は次のような裏事情を話す。「ゴルフチャンネルには元々ユニオン(労働組合)はなかった。なぜならユニオンが規制されているフロリダ州だからです。NBCにはもちろんあって、今回ストに入ったのはNBCスタッフ。残りの元ゴルフチャンネルスタッフでやりくりして放映できたと言っていました」

 民主党が強いカリフォルニア州、ニューヨーク州などを除いた南部の州などでは「労働権法」が取り入れられていて、従業員はユニオンに入るかどうか選択できる。それがユニオン入りの規制につながり、経営者が優位に立つ法律なのだ。

 ハワイ州はカリフォルニア州と同じく、ユニオンが"強い"ところ。同大会では約9カ月の労働争議が続いていたが、前週もカパルア(セントリー・トーナメントオブチャンピオンズ)で試合をやっていて、その不満が、土地柄、爆発したと見る向きも多い。

 しかし、もしも全面ストになった場合、日本にも映像が送られて来ない可能性もあるということだ。

 
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