世界を伝えたゴルフジャーナリスト岩田禎夫氏逝去
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2016/11/15号
2016/11/15更新

世界を伝えたゴルフジャーナリスト
岩田禎夫氏逝去

 ゴルフ評論家の岩田禎夫氏が先月27日、亡くなった。

 岩田氏は1933年(昭和8年)、神奈川県生まれ。上智大学新聞学科卒業後、報知新聞社に入社。ゴルフ記者として活動するも、1970年に退社。当時アマ界の重鎮だった鍋島直泰氏の「ゴルフは狭い日本だけじゃないよ。もっとグローバルなもんだよ」との言葉に触発され、世界へと目を向けたのだ。

 そう言われたのは、鍋島氏が馴染みとしていた帝国ホテルのインペリアルバーだったという。以来、岩田氏は亡くなる寸前までそこへ通い続け、若い記者や仲間とワインやスコッチの盃を傾け、時には談論風発、憩の場となった。拙生も時には、その末席に加わったものだ。

 岩田氏の海外での活躍は、まずはTBSがマスターズ中継を始めた年、解説者として加わることから始まった。米ツアーのほか、メジャー大会のレポートを新聞や雑誌に掲載。米ツアーを一年中、カバーする記者の嚆矢となった。

 その後、私が所属した小誌編集部も少しずつ海外派遣を始めたが、その時には"新入り"をやさしく指導してくれ、夕食の折には記者をはじめ、日本から参戦している青木功夫妻らとテーブルを囲んだ。酒に目がない拙生が覚えているのは、生牡蠣にこのワインが合うと岩田さんが薦めてくれた白。きりりと冷えたその白ワインは、こんなうまいワインがあるかと思うものだった。後から聞いた銘柄はシャブリ。田舎者には聞いたこともなかった。

 40年以上のマスターズ報道の功績を讃えられ、マスターズトーナメント委員長、ビル・ペインから特別表彰を受賞。また2003年にはアジア人初となる「ジャック・ニクラス・メモリアルジャーナリズム賞」を受賞。もうひとつの趣味、ヨットとともに人生を謳歌し、自らの意志で仕事を全うした一生ではなかったろうか。享年83。合掌。

 
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