週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/9号
2014/9/1更新

世界アマで世界から評価を受けるゴルフ場利用税

来週、長野県の軽井沢72GCで開催される世界アマチュアゴルフ選手権だが、ニッポンならではの問題が。というのも長野県が開催コースを通じ、主管のJGA(日本ゴルフ協会)に参加選手からゴルフ場利用税を徴収すると通達したからだ。

世界のアマチュアが集結する軽井沢72入山コース

 同税の取扱要領に参加選手を無税とする規定がない、というのが長野県の主張。長野県ゴルフ場連盟の後援であれば無税にできるというが、時間的にも手続き的にも困難な模様。また仮に後援を受けたとしても、練習ラウンドは利用税を徴収する方針だという。

 来年のリオデジャネイロ五輪で正式種目となるゴルフ。2020年には東京オリンピックが決定しており、JGAにとってはその前哨戦ともいえる重要な大会として位置づけてきた。それが選手から税金を徴収となると、国際的な批判に発展する恐れもある。

 実際、JGAが音頭をとり、ゴルフ業界が総力をあげて、ゴルフ場利用税の廃止運動に取り組んできた。今年も業界団体で組織する「ゴルフ場利用税廃止運動推進本部(小宮山義孝本部長)」は、8月1日に文科大臣、総務大臣政務官、都道府県知事宛に「ゴルフ場利用税の廃止を求める要望書」を提出した矢先の世界アマチュア選手権での問題。同税の廃止は業界団体の悲願だが、市町村の重要な財源という理由から、国の抵抗に阻まれてきた格好だ。しかしオリンピックの東京誘致が成功したことから、廃止の千載一遇のチャンスとの指摘もあった。実際、要望書には「2020年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催される。世界でも国内でも、ゴルフに関心が高まりつつある中、ゴルフ場利用税という、スポーツをする者に対する課税制度を持つ我が国が、世界中からの批判を受けるであろうことは想像に難くない」としている。

 オリンピックで、国を代表する選手からゴルフ場利用税を徴収する事態が起こるとは想像しにくいが、今回の長野県の徴収問題が、ゴルフ界に少なからず衝撃を与えたことは間違いない。

 税はその国固有のものである。

 ゴルファーのみを対象にした税金は、おそらく世界に例を見ない。さてさて世界大会に参加する選手が、この税制についてどんなことを感じるのだろうか?

 
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