週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/19
2013/3/11更新

片麻痺障害なんのその!
ゴルフには人を元気にさせるチカラがある

 障害がある人のゴルフコンペが全国各地区で行われ、近年盛んになってきているが、「片麻痺ゴルフコンペin沖縄」もその1つ。


健常者と一緒に始球式

 片麻痺とは脳梗塞、クモ膜下出血などの脳障害により、体の半分が麻痺した状態のこと。この障害は仕事盛りの年代に発症することもままあり、生還しても障害が残り、現実と以前の自分とのギャップに落ち込んで、リハビリもそこそこに引きこもりになる人も多いという。

 同大会を呼びかけた角谷利宗さん(65)は化学会社の部長を務めていた51歳のとき、脳出血で片麻痺になった。当初はやはり、引きこもり気味になってしまったという。

 「でも、ないものを悲しんでも始まらない。一念発起して、さまざまな障害を持つ人のゴルフ大会を主催するNPO法人に入って運営を手伝うようになりました。そのあと介護施設の仕事に就きましたが、あまりに私と同じ障害の人が多いので、就職先の理事長に、片麻痺ゴルファーの励みになるコンペの開催を相談したのです」(角谷氏)

 それで始まったのが同大会(主催は沖縄ゆめのかけ橋共同企業体)、3回目となる今年は1月下旬、沖縄・久志岳GGで行われ30人が参加した。20年前に倒れて以来、初めて競技に参加した(現役時代はシングル)60代の男性は「あの頃のときめきを感じた」としみじみ。

 38歳で倒れた65歳の元歯科医は「希望がもてた」。涙ぐむ人も多かったという。「私は障害者ではないのだが、近い将来そうなったら……」と運営ボランティアの石川恭平さん。小誌に詳細な大会レポートを送ってくれた。

 麻痺が体のどちら側であれ、ライによっては体が傾ぎ、空振りすることもある。しかし、その場合は素振りでOK、当たったときがストロークという“ローカルルール”があるのもこの大会ならでは。ともあれ、ゴルフには人を元気にさせるチカラがあることは間違いなさそうだ。

 
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