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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/23号
2009/6/12更新
“常勝トッププロ”が勝てない米ツアー
若手の台頭で世代交代が進む

 今年の米ツアーで、ちょっとした異変が起こっている。これまでプレーオフシリーズ終了まで42試合中23試合を終了しているが、ビッグネームといわれる“常勝プレーヤー”たちが、優勝から見放され精彩を欠いているのだ。トッププレーヤーたちに何が起きているだろう?


昨年の賞金王、V・シンも今年はまだ未勝利

 米ツアーは試合数で見れば、すでに後半戦に突入しているが、5月末時点での賞金ランキングのトップは、なんとザック・ジョンソン(33)。

 一昨年のマスターズを制したジョンソンが、本来の力を出してきたということなのだろうが、その反面ビッグネームたちはパッとしない。

 そのビッグネームの代表選手のタイガー・ウッズ(33)は、「今季6試合に参戦して、1勝を含めて、トップ10に5回入っている。優勝のチャンスを逃していることは残念だが、長く休んでいたことを考えれば、まずまずの成績だろう」と語っている。

 今季2勝しているもののエミー夫人の乳ガン発覚のために、一時は今後の予定がたたずというところまでいったフィル・ミケルソン(39)。

 ミケルソンは、夫人の手術予定が伸びたとかで、どうやら今週開催のセントジュード選手権と来週の全米オープンには出場する模様だが、7月の全英オープンは、まだ、参戦するのかどうか態度を明らかにしていない。

 ただ、この2人については、完璧ではないものの、まだ頑張っている感じはある。

 しかし、かつてビッグ5ともビッグ6とも言われた、ビジェイ・シン(46)、アーニー・エルス(39)、パドレイグ・ハリントン(37)、セルヒオ・ガルシア(29)、あるいは、ジム・フューリック(39)などは、今季まだ優勝できないどころか、優勝争いに加わることもほとんどなくなっているのだ。

「シーズン初めの調整が遅れて、波に乗り損ねた」と語っていたハリントンは、今季これまで米ツアー10試合に参戦して、最高の成績だったのが、アーノルド・パーマー招待での11位タイ。昨年メジャーに2勝して431万ドル稼いだにも関わらず、今季はまだ約40万ドルしか、稼いでいない。

 昨年660万ドルも稼いで賞金王となったシンも、今季は12試合に参戦してトップ10入りは2回だけ。予選落ちが4回もあって、まだ80万ドルしか稼げていない。シーズンの初めに右ひざの手術をしたために、調子がまだ万全ではないようだ。

 ほかでは、アーニー・エルスは10試合でトップ10入りはわずか2回だけ。

 フューリックは、11試合でトップ10入りは5回、獲得賞金も150万ドルと健闘しているほうだが、優勝はない。

 今あげた4人は、みな30代後半から40代となっており、プレーヤーとしてのピークを越えつつあるのかもしれない。

 逆に米ツアーの賞金ランキングでは、トップのザック・ジョンソンをはじめ、3位のG・オギルビー(32,2勝)、5位のS・オヘアー(26,1勝)、7位から9位の今季1勝、P・ケーシー(31)、N・ワトニー(28)、R・サバティーニ(33)といったプレーヤーが力をつけ、世代交代を感じさせている

 そうした点では、ガルシアはまだこれからのプレーヤーということなのだろうが、調子が悪いのは傷心のためという話もある。ガルシアは、今季米ツアーには7試合出て、最高の成績がホンダクラッシックの13位タイ。

「練習はしていたけれど、目がゴルフに向いていなかった。集中していなければ、ゴルフに影響が出るのは当然。でも、今は間違いなくいい感じになってきている」とガルシア。

 これは、今春、それまで交際をしていたグレッグ・ノーマンの娘と別れたことを指しているようだ。つまりは、失恋(?)の痛手でゴルフに集中できなかったということのようだ。

 もっとも、トッププレーヤーたちにとっては、通常の試合は、メジャーのための調整ということで、あまり優勝に固執していないのかもしれない。

 そうした意味ではこの18日から開催される全米オープンが、後半戦に対する一つの試金石となりそうだ。

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