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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/16号
2009/6/5更新
ミケルソンが妻の手術でツアーから離脱
復帰は夫人の病状次第で目途がつかず

 ワールドランキング2位のフィル・ミケルソンのこれからのスケジュールがはっきりしなくなってしまった。今月開催の全米オープン(18日~21日)で、タイガー・ウッズとランキングトップが逆転する可能性もあったのだが、その全米オープンすら、出場が定かではないというのだ。愛妻のエミー夫人の乳がんが発見され、この看病を最優先するというミケルソンに迫った。


愛妻あってのミケルソン。手術が成功してツアー復帰を願うばかりだ

 エミー夫人のことをテレビで見たゴルフファンも多いと思うが、夫人はツアープロ夫人の中でも、もっとも知られた存在。

 ミケルソンがアリゾナ州立大学時代に一目ぼれしたキュートな女性で、一時、プロバスケットのフェニクス・サンズのチアリーダーをしていたこともあって、明るく、ファンやプレーヤーたちからも人気がある。

 こんなエピソードがある。今から10年前、1999年のパインハーストで開催された全米オープンのことだ。

 結果はペイン・スチュアートが優勝し、ミケルソンは2位だったのだが、優勝争いをしていたにもかかわらず、エミー夫人が長女のアマンダちゃんの出産が近づいていたために、「試合を途中棄権しても、出産に立ち会う。初めての子供の出産は、一生に一度だが、全米オープンにはこれからも勝つチャンスはある」と、近くに飛行機を待機させ、携帯電話を持ってプレーしていたのだ。

 03年の長男出産のときには、難産でエミー夫人の命が危険にさらされた。分娩室の前でミケルソンは祈り続け、彼女が助かったとわかった時には、「自分の人生で、こんなにホッとし、感謝の感覚を味わったことがなかった」と自叙伝で語っている。

 そんな愛妻にがんが宣告されたのだから、「フィルがスケジュールを無期限にキャンセルするのは、私にとっては驚きでも何でもない」と学生時代からの友人(ロブ・マンギーニ)が語るものうなずける。

 伝えられるところによれば、6月の第1週にエミー夫人は手術を受ける予定とか。その手術が無事に成功して、何の心配もなくなれば全米オープンには出場するだろうが、すべてはエミー夫人の回復次第ということなのだ。

 ゴルフファンとしては、今年の全米オープンの会場となるベスページで、2002年にタイガーとミケルソンが優勝争いを演じたことから(タイガーが優勝)、再度、このライバルの戦いを見てみたい気もするが、今は、エミー夫人の回復を祈る声ばかりが聞こえてくる。

 このエミー夫人のニュースと時を同じくして、日本の女子ツアー、中京テレビブリヂストンでは、マンモグラフィを行う検診車が会場にやってきて、女子プロたちが乳がん検査を行っていた。

 検診を受けた上原彩子は、特に乳がん検診の普及のための「ピンクリボン活動」を行っており、試合でバーディをとるごとに、この活動への寄付をしているということで、昨年は25万4000円をこうした活動のために寄付したという。

 先の欧州ツアー、BMW欧州PGA選手権では、ジョン・デーリーがピンクのスラックスを履いて最終日にプレーしていた。

「フィルもエミーも、古くからの知り合いだ。ピンクは彼女のためのもの。自分の家族や友人にも乳がんにかかった人間がいるが、早期発見なら完治できるはず」とデーリーまでもが、ミケルソンにエールを送っているのだ。

 こうした態度がツアー関係者に好感を持たれ、また酒乱が原因での米ツアーの出場停止が終了したこともあり、デーリーはこの5日から米ツアー復帰が決まった。

 なにやら、5月の終わりは、乳がんばかりが話題となっていたようだが、今は、エミー夫人が無事に回復し、ミケルソンが心おきなく試合に出場してくるのを祈るばかりだ。

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