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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/26号
2009/5/15更新
前代未聞! 風で中止のフジサンケイレディス。
一体何が起きていたの?

 4月末のフジサンケイレディスは最終日が前代未聞、国内女子ツアーでは初めて強風のために競技中止となった。そして、その中止の情報がツアーの公認サイトにしばらく流されなかったことに批判の声が……。あの日、何が起こったのか。


ビール箱が舞った、この状況では中止はやむなしだった

 テレビのトーナメント中継を楽しみにしていたファンは、番組冒頭の映像に驚いたに違いない。太陽にまぶしく光るグリーンの上を、大型のマットがものすごい勢いで風に吹き飛ばされていったからだ。

 当日、開催コースの川奈ゴルフコースを襲った強風は中継のフジテレビの表示では最大瞬間風速33メートル(平均風速18.1メートル)だった。気象庁の資料によれば、平均風速15~20メートルは「風に向かって歩けない。転倒する人もでる」「小枝が折れる」級の強さの風とされる。

 ところが、川奈のゴルフコースでは、小枝どころではなく、なんと7番ホールの旗竿がポキリと折れてしまった。

「次の日の朝にわかったことですが、ティを囲むフェンスが一枚、強風に飛ばされて、太平洋にプカリプカリと浮かんでいました」(運営会社スタッフ)ということだから、どれだけ強い風だったのか想像がつくだろう。

 そのため、コース上のプレーでも、3番グリーンでは三塚優子がピン下1メートルにつけたボールがコロコロと21メートルほども転がりグリーンエッジへ。

 また、馬場ゆかりは1番ティで、今まさにクラブを振り下ろそうとした瞬間、ティアップしたボールが風に動かされ、結果、馬場のティショットはチョロに。

 こうした状況では、競技のフェアな進行は無理と、とりあえず午後1時過ぎに中断。そして、天候が回復しないため、1時50分に競技中止となった。

 強風のみが原因で競技中止となった例としては、男子ツアーで石川遼が優勝した07年5月のKSBカップの初日があるが、世界的には大変珍しいようだ。

 ゴルフ史研究家で、海外のツアーにも詳しい藤岡三樹臣氏も「(風が強いといわれる)欧州ツアーも含め、聞いたことありませんね」と語る。

 実際、今年の女子メジャー、クラフト・ナビスコ選手権の2日目も、「グリーン上のボールがずっと揺れていました」(横峯さくら)と証言するほど、台風並みに強風が吹き抜けたが、それでも競技中断にはならなかった。

 しかし、グリーン上にボールが静止ないのではゴルフにならない。藤岡氏も「テレビで観ましたが、あの状況では中止はしょうがないでしょうね」と語る。

 ところで、その中止が決定となった以降も、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のホームページでも、また有料の携帯のオフィシャルサイトにおいても、競技情報は午後4時過ぎまで「中断」のままだった。

 競技が行われているときは、テレビ中継の時間に合わせてスコア情報の更新は停止される。それは理解できるが、「中止」の情報はただちにアップすべきではないだろうか。

 特に携帯サイトは、当日も同サイトで確認しながら会場に向かうファンがいた可能性がある。

 今後の対応も含め、今回の措置をLPGAに問い合わせたところ、「今回は、主催者のテレビ中継に配慮してのことでしたが、今後、同様のことがあった場合は改めて主催者と検討することになると思います」(事務局)と改善の可能性を示した。

 競技中止はないに越したことないが、万が一起こった場合のLPGAの対応が注目される。

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