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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/12・19号
2009/4/30更新
今年の流行は“走り系”シャフト!?
気になるシャフト新事情を追った

 ドライバー用のシャフトは、大きく、「走り系」と「粘り系」に分類されるが、今年は走り系が流行しそうだ。走り系シャフトの代名詞といえばフジクラの『スピーダー』だが、これが『モトーレ・スピーダー』としてリニューアルされたほか、粘り系を得意とする三菱レイヨンからも新たな走り系シャフトが登場する。


三菱レイヨン初の走り系シャフトに興味津々

 このところ女子ツアーで使用する選手が目立ち始めたゴールドのシャフト、手にとってみると『バサラ・プロトタイプ』の文字がプリントされている。

 三菱レイヨンのシャフトは『バサラ』や『ディアマナ』がよく知られているが、その『ディアマナ』にしろ『バサラ』にしろ、三菱レイヨンのシャフトは安定性を重視した方向に振られているが、プロトタイプは走りの良さを特徴としている。

「軽いシャフトを使うのは元々パワーがないから。そうしたゴルファーの飛距離をアップさせるため、いかにヘッドスピードを上げるかをテーマに開発を進めています」(MRCコンポジットプロダクツ・深山克己氏)

 走るシャフトほど使い手を選ぶというイメージがあるが、「ただヘッドを走らせるだけのシャフトなら簡単にできますが、それをコントロールできるゴルファーは限られているし、『バサラ』の一番の良さである安定感がなくなってしまうので、それを残すのに苦心しました」(深山氏)とか。

 ひと昔前なら実現が難しかった、走りと粘りを両立させたのは、設計と生産技術の進歩だ。

「軽量シャフトの『バサラ』を開発する過程で、カーボンのシートを薄く作る技術が確立されました。薄いシートほど設計自由度が高くなるので、必要な箇所に必要な剛性を持たせることができます」(深山氏)

 走り系シャフトがコントロールしづらいと感じるのは、自分の意図した以上にヘッドが走り過ぎたり、反対に走らなかったりするため。

 そこで、バサラプロトタイプの場合は、手元の剛性を大きく、先端の剛性を小さくして走り感を出す一方、先端にアモルファス金属繊維を使用することで、走り過ぎるのを抑えている。

 このシャフトは、女子プロによるテスト評価もほぼ終了したことから、夏前には『バサラG』として市販されるという。

『モトーレ・スピーダー』やグラファイトデザインの『ツアーAD EV』なども、設計方法に違いはあっても、考え方は同じといっていいだろう。

「今までの走り系シャフトは大きくしならせることで速さを出していましたが、『モトーレ・スピーダー』は小さなしなりで速く走るシャフトです。このため、予想外の動きが出にくく、安定感につながっています」(藤倉ゴム工業・甲斐哲平氏)

 トレバー・イメルマンやフィル・ミケルソンなどトッププロが使用して注目されている三菱レイヨンの海外向けモデル『フブキ』も走りを売りにしたシャフトだ。

 ただし、実際に打った本誌でもお馴染みのクラブフィッターの鹿又芳典氏によると、「日本でいう走り系とは感覚が違うので注意が必要」という。

 また、同氏によれば、「走り系・粘り系というより、最近の大型ヘッド対応のシャフトは、しなりを抑えて打ちやすくしたものと、シャフトがしなることで打ちやすくしたものとに大別されます。バサラのなかの『バサラG』や『モトーレ・スピーダー』は明らかに後者で、ヘッドスピード43m/s以下の人が結果を出せるように作られたシャフト」という。

 さて、これら新シャフト、一般ゴルファーにはどう評価されるだろうか。

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