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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/28号
2009/4/17更新
マスターズ、日本人観戦ツアー殺到。
TV、新聞で報道されない面白ニュース

 石川遼の出場で今年のマスターズはいつになく盛り上がった。だが、そのフィーバーの陰でさまざま問題があった。テレビ、新聞で報じられなかったできごとに迫った。


景気後退なんのその、“マスターズフィーバー”は堅調!

「今年は、さらに4500台の駐車スペースができ、世界の大きなスポーツイベントでは、駐車料金が無料で、これほど大きなスペースを確保したことは今までないだろう」とマスターズ開催コース、オーガスタナショナルGCのビリー・ペイン会長が誇らしげに語ったが、これと同時に新しいゲートなどもできたことから、チケットを扱うダフ屋の逮捕者が続出した。

 会場に車で行くための混乱は少なくなったが、ダフ屋に関しては会場から約800メートル以内では、ダフ屋行為を行うことが禁止されているために、ダフ屋にとっての安全な営業場所が小さくなってしまった。

 これでなんと火曜日の練習日までの2日間で15人のダフ屋が逮捕され、25枚のマスターズチケットが押収されたという。

「逮捕するのは、実際に売買をしている現場を押さえた時だけ。警告だけのケースも随分あったが、どうしても見逃せない悪質な者もいた」と同地の警察のスコット・ゲイ氏は語る。

 その闇チケットにしても、今年は実際にどれくらい安くなっているかは不明とか。以前にこのコーナーで紹介したが、アメリカの景気後退のせいで事前のインターネットでの売買では、昨年より20~30パーセントは安く売買されていたようだが、実際に現地で当日にチケットを購入した人によると、「火曜日のチケットは250ドルで以前と変わらない」という話も出ているのだ。

 日本の成田からアトランタへの直行便のあるデルタ航空では、試合が始まる前の数日間、エコノミークラスがほぼ満席状態のうえ、4時間近い遅れが何日か続いた模様で混乱していた。その満席状態というのは、石川遼人気でマスターズ観戦ツアーに人が殺到したため

 ツアー客にはチケットが確保されているので、苦労はなかったようだが、現地で調達しようとした人もいたようで、そうしたゴルフファンが、下がった相場を押し上げたのかもしれない。

 マスターズ観戦に来ていた日本人に聞くと「私は、一番安いツアー。火、水曜日の練習ラウンドの観戦だけで、あとはこの近所でゴルフをし、最終日は日本でテレビを見るつもり」という人もいた。

 これでツアー料金が40万円。エコノミー座席のツアーだから航空券代はせいぜい10万円前後。それにホテル代が含まれても、20万円ちょっとであがるはずだから、基本的には、あとの半分は旅行会社の儲けとマスターズのチケット代ということになる。

 旅行会社も考えたもので、2日間の本戦観戦や、1週間のチケット代を含めて、40万円から100万円強まで、さまざまなコースを取り揃えて、石川遼人気に便乗していた。

 不況、不況と言いながら、観戦パックは完売というから、お金はあるところにはあるようだ。もっとも、アメリカ企業の交際費や福利厚生費は、大きく削られてしまっているようだ。

 マスターズ観戦のために大きな家を借りきり、さらには、豪華なテントで観戦の休憩所となっているホスピタリティクラブにもお金を支払って、役員や顧客をもてなしている企業は、今年は昨年の半分前後に減った。

 ホスピタリティクラブでは、顧客の数が、クラブによって30~60パーセントも昨年に比べて減っているという記事が、オーガスタクロニクル紙などで紹介されていた。

 さらに、マスターズ週間に1週間の家屋レンタルを行っている会社では、昨年は400軒を貸し出したが、今年は豪邸が少なくなっただけでなく、貸家の件数も300件にとどまっているという話もある。

 ただ、これには、「10年以上続けて貸していた顧客が、今年は来なくなったということもあるが、企業の名前を出さずに、裏ではそこそこには動いている。巷間言われているほどには、落ち込みは見せていないと思う」(コーポレットクオーター社ダイアン・スター社長)という人もいる。

 オーガスタのコース内で販売されるマスターズグッズの売店では、はためには昨年より客足が落ちているようにも見えたが、今年から発売されたスキー帽タイプの帽子は、すでに水曜の時点で売り切れ。

 売り上げについては、公式な発表はできないとかで、具体的な数字はわからないが、前述のオーガスタ・クロニクル紙では、「不景気なんてどこの話」とばかりに、売店でどんどん商品が売れていることを紹介している。いったい何が本当なのか? 

 少なくともパトロンの数を見れば、どうやらマスターズだけは大不況の波とは無縁のような感じであった。

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