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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/27号
2009/1/16更新
1本2万円弱のドライバーも登場
各社が投入するエントリーモデルの現況

 ドライバー1本2万円弱、アイアン6本セット3万8000円弱(ともに実勢価格)、性能としてはエントリーモデルの位置付けだが、「中身は上級モデルにひけをとらない」とマルマンが自負する『ベリティ・レッドV』。超コストパフォーマンス価格に対し、他社の現況はどうなのだろうか。


ドライバー1本2万円弱なら中古クラブより安いが……

 マルマンは、『ベリティ』のような廉価ブランドからドライバー1本20万円を軽く超える高級ブランドまでをフルラインナップする、いまや唯一のクラブメーカー。実はそのことがコストダウンにつながった。

「パーツメーカーに頼らず、すべてを自社開発しているのがマルマンの最大の強みです。特別な開発費をかけなくても『マジェスティ』や『コンダクター』などの開発過程で生まれたのがベリティなんです」(マルマンゴルフ・桑木野洋二氏)

 早い話が、上級ブランドのために作られた数多くの試作品のなかで、もっともやさしいものに改良を加えてできあがったのが『ベリティ・レッドV』だ。

 上級モデルとの違いは何かといえば、それは素材や製造方法にある。「『ベリティ・レッドV』では、チタンのなかでも加工しやすい素材を使ったり、生産ロットを考えて大量生産向きの鋳造ではなくあえて鍛造にしています。シャフトも一番癖のないものを選びました。多くのゴルファーに合わせられるようにするのと同時に、弾き感を出すなどシャフトに個性を持たせようとすると、そこでコストがかかってしまうからです」(桑木野氏)

 では、安くてモノが良ければ売れるのかといえば、市場環境はそれにも増して厳しい。『ベリティ・レッドV』が狙っているのはふたつのゴルファー層だが、そのひとつである20代ゴルファーの新規参入が鈍っているという分析もある。

「昨年はレディスモデルがそこそこ売れましたが、店頭の肌感覚でいうと女性の新規参入は3年前がピーク。女性が少なくなれば、当然若い男性層の参入も減るのでエントリーモデルは苦戦するのでは」と厳しい見方をするのは都内量販店のバイヤーだ。

 もう一つのターゲットは、年に数回程度しかラウンドせず、あまりクラブを買い替えない層。

「古いクラブを使っている人たちにも、最新のクラブがどれだけやさしく飛ばせるか感じてもらえれば」(桑木野氏)と期待を寄せる。

 対する他社のエントリークラブはどうか。SRIスポーツでは、「アベレージ向けにはスリクソンWRとハイブリッドEZを統合したスリクソンGEを出しましたが、価格だけで勝負はしていません。安いだけではゴルフの魅力を損なうこともありますから」(山田照郷氏)

「レディスではパラディーゾをエントリーモデルとして出しますが、男性用は今の時期では予定はありません」(ブリヂストンスポーツ・嶋崎平人氏)

 今のところ『ベリティ・レッドV』と真っ向からぶつかるライバルは見当たらないが、ユーザー側からすれば店頭で比較の対象となるのは型落ちモデルだろう。売れ残った2008年モデルのなかには同価格帯で手に入れられるものもある。

 また、ネット販売などでは円高を背景に並行輸入された格安の09年モデルも見受けられる。

「旧モデルの値下げ品ではなく、最新技術を投入した09年モデルがこれだけの価格で手に入ると考えてもらえば、十分競争力はあると思います」と自信を見せるマルマンだが、あなたならどちらを選ぶ?

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