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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/11号
2008/10/30更新
女子ワールドカップ延期で見えてきた金融不況の影響。
ツアーはどうなる?

 アメリカ発の金融危機は、既に実体経済に打撃を与え始め、新聞には世界同時不況の文字も躍るようになった。金融関係のスポンサーが多いことから、危機の影響を真っ先に受けると思われていたのが米男子ツアー(PGAツアー)だったが、その実情が明らかになる前に、米女子ツアー(LPGAツアー)のほうから不穏な話が出てきた。


女子ワールドカップは日本に馴染みが深いだけに、どうなるか気になるところ

 この欄で既報(10月21日号)のとおり今季のPGAツアーには、金融系企業が冠スポンサーになっているトーナメントが12もあった。

 同ツアーは「その多くは2012年か、それより先までの長期契約を結んでおり、それ以前の契約からも撤退の話はない」とコメントするが、来季日程の発表がいまだにない(10月24日現在)ことから、懸念は消えない。

 本当に「PGAツアーは大丈夫なのか?」と気を揉んでいたら、その前にLPGAツアーのほうからスポンサー撤退の話が次々と伝わってきた。

 2試合をスポンサードするギンリゾートが1試合を降りるのをはじめ、日本メーカーのフィールズ、米スーパーのセーフウェイが撤退を表明。

 その後も、ツアー最終戦のスポンサーであるADT(セキュリティサービス)が降板することになり、破産申請をしたセムグループ(石油輸送)もツアーから去る可能性が高い。このほかに問題の金融関係の冠スポンサーが4試合ほどあるのだから、来季はツアーの様相ががらりと変わるのかも。

 さらに、先週初めには、来年1月に予定されていた女子ワールドカップが、急きょ開催を来年末に変更すると発表された。

 大会側は変更の理由を「シーズン終了後のほうが、よりトップ選手が参加しやすくなるため」としているが、その一方で「大会組織と欧米両女子ツアーは、来季のシーズン末までにホスト(主催企業)を見つけたい」とのコメントを発表している。

 やはり、開催コストを負担するスポンサーが不足しているのだろう。

 第1回大会を制した日本ではW杯の注目度は高い。また、若手選手にとっては世界を知る、あるいは世界に知ってもらう絶好の機会と、出場に意欲的な選手も少なくない。その大会の迷走は、残念な話に違いない。

 そのほか、米シニアのチャンピオンズツアーからも米金融危機の影響が伝わってきた。同ツアーのビッグイベント、開幕戦のマスターカード選手権のマスターカードに代わるスポンサーがまだ手当てできていないようなのだ。

 そのため、日本企業にも売り込みがあった。それもスポンサー料の大幅なダンピングで……。よほどの苦境にあるのだろうか。

 こうした一方で、例年この時期には翌年日程のマイナス情報ばかりが飛び交っていた国内男子ツアーが、今年はマンシングウェア(KSBオープン)やバナHといった冠スポンサー(KBCオーガスタ)の撤退が噂されるのみで、大会自体の消滅はなさそう。

「男子ツアーのスポンサードに関しては、協議中としかコメントできません」(マンシングウェアのデサント)。

 同社の売り上げは今年4~9月期の連結利益が為替差益もあって前年比63パーセント増し・14億円と好調なので、単にコスト削減のための撤退ということではなさそうだ。ほかにも、来季男子ツアーでは、関西オープンが復帰することが事実上決定している。

「正式には11月のツアー機構理事会での承認待ちということになりますが、条件はすべて満たしていますので……」(関西ゴルフ連盟事務局)

 一方、国内女子ツアーでは、今年まで4月に開催されていたアコーディア・ゴルフレディスが日程を3月に早め、沖縄で開催の意向。そして、その空いた週に新設競技が行われる可能性も……。

 まだまだ流動的だが、欧米ツアーに比べ国内ツアーの変動は小さいようだ。

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