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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/28号
2008/10/17更新
北海道の名門札幌GC輪厚コースが「一般法人」に。
公益法人厳格化を前に転換

 北海道新聞が10月2日に報じた札幌ゴルフ倶楽部の一般法人化のニュースが波紋を呼んでいる。同紙によれば、「社団法人・札幌ゴルフ倶楽部が、公益性が薄れたとして民間並みに課税される『一般社団法人』に転換することとなった」と伝えた。1957年開場の北海道を代表するゴルフ場がなぜ転換するのか、その背景をさぐった。


これから動きは加速か、 一般法人化を決めた札幌GC輪厚コース

 報道では、さらに85年にも公益法人としては不適当との勧告を受け、「同倶楽部は売却なども検討したが、受け皿が見つからずそのまま運営を続けてきた」としている。

 この記事を読む限り、この12月1日に施行される公益法人改革関連3法案を前に、一般法人化するように受けとめられる上、何やら売却先を探しているかのようにもとれる。

 しかし、同倶楽部では、「売却の話は、昔の話で訂正の記事が掲載される予定。それに、一般法人化には、5年の猶予があるので、まだいつからと決めたわけではない。全国の社団法人のコースと相談・研究しあって決めてゆくつもり。ただ、一般法人化は時代の流れで仕方がないもの」(同倶楽部輪厚コース・井上幸一支配人)

 ということで、まだ先の話で具体的には決まっていないとはいえ、一般法人化に移行せざるえないのは間違いがないようだ。

 ただ、波紋を呼んだのは、それだけではない。現在全国に31コース、29の社団法人が経営するゴルフ場が存在するが、そのなかでも、札幌ゴルフ倶楽部は、「公益性」の高いコースではある。

 輪厚コースと言えば、ANAオープンでも知られるように、トーナメントも開催しているし、関東の社団コースように、排他的で閉鎖されたコースでもない。会員権は売買されているし、本州からのパック旅行も受け入れ、北海道の観光ビジネスにも貢献している。

 全道のクラブ対抗戦や全道ジュニア、あるいはジュニア教室を開催するなど、ゴルフ振興のためにも大きな貢献を果たしている。

「公益」であるかないかの基準の見定めは難しいが、札幌ゴルフ倶楽部の公益性が問われるなら、他の社団コースも全滅で、あきらめるしかない、という声もある。

 現在の社団は、一般の法人に比べて10ポイント前後の税制上の優遇があるといわれるが、あくまで、これは利益に対しての税率の違い。「社団」というステータスはなくなるが、ゴルフコースが不況にあえぐなか、今なら、社団から一般法人に移行したとしても、さほど苦痛ではないのかもしれない。

 むしろ、「公益」にこだわり、NPOとしてセミパブリックのような運営になれば、名門ゴルフ場で一般のアマチュア達もプレーできるようになるわけで大歓迎だし、「一般法人」や「株式会社」となれば、今のような排他的な名門もなくなるかも。

 そうした意味では、今回の改革法の施行は一般ゴルファーには歓迎すべきことなのかもしれない。

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