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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/25号
2008/3/13更新
関東オープン復活、関西オープン
規模拡大の意味するものは

 日本の三大オープンのひとつ「関東オープン」が中止になってから9年近く経つが、関東ゴルフ連盟(KGA)は復活に向けて舵を切り始めた。現段階において何か具体策が提示されたわけではないが、中止になった主たる理由が資金問題であっただけに、越えるべき壁はそれほど低くはない。再開待望論者も少なくなく、近い将来何らかの動きが出てくることが期待される

 50年の歴史を誇る「関東オープン」だが、1999年(平成11年)長野CCで行われた50回大会を最後に休眠状態が続いている。この時の賞金総額は3000万円で、優勝した佐々木久行の賞金額は600万円。

 この賞金総額は84年から同じで、優勝金額1000万円がざらになり始めている当時の状況からすると、見劣りすることは否めない。

 同オープンは、92年大会からツアー競技からはずれた。その競技の条件としては、賞金総額が5000万円以上で、全国規模のトーナメントであることなのだが、この年その他の地区オープンもツアー競技から除外されている。

 このとき競技自体を「やめよう」という声も上がったが、KGAでは理事会や総会などで検討を重ね、連盟ある限り継続することを決議した。にもかかわらず7年後には中止に追い込まれてしまった。  

 原因のひとつには、93年より賞金上位にランクされているプロが出場する「日本プロゴルフマッチプレーゴルフ選手権」と開催日が重なったことだ。

 当然ながら、世間の目はそちらに向けられる。トッププロが来なければ試合も盛り上がらなくなりギャラリーも減る。これで毎年3000万円の赤字となり財政破綻をきたしてしまった。

 ブランドイメージがある「関東オープン」を復活させるには、「最低5年は続けられるような財政的裏づけが必要になる」とKGA幹部は強調する。

 また公益法人は、営利を目的としてはいけないが、組織として赤字覚悟で事業を推進するわけにもいかずKGAの置かれた立場は苦しい。競技団体として「関東オープン」開催はその存立意義にまで直結するものとして、復活のため今その力量が問われるといっていい。

 また、関東オープンと並ぶもう一方の雄である「関西オープン」にも動きがある。このほど開かれた関西ゴルフ連盟(KGU)定時総会では、同オープンが今年度から規模が拡大される。

 まずは、3日間競技から4日になる。これは、阪神淡路大震災により自粛していたものが、解除されゴルフ業界が活況を呈し始めたことと規を一にする。

 賞金総額も1500万円から3000万円に増額され、来年度には5000万円になることも発表された。その財源となるのは特別準備積立金の取り崩しと加盟クラブから協賛金5万円を募ることとしている。

 この1月に就任した森下洋一新理事長は松下電器産業の元社長・現相談役であり、財界からの支援が期待されることは、想像に難くない。

 JGTOの理事に就任した奥田碩トヨタ自動車前会長・現相談役の力によりツアーが増えた例に見るとおり、賞金総額増加のため企業協賛の必要性がいわれれば、この人事はツボにはまっているとも思われる。

 同オープン検討委の三宮藏委員長は「日本オープンよりも古い伝統あるものとして、ツアー競技にまで復帰できればと思う。関東オープンがなくなったことは残念だが、競技団体としては続けることが重要で、チャリティ競技として社会貢献も続けていきたい」と語る。

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