> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/11号
2008/2/28更新
今年から採用の米ツアー
予選カット基準が見直しに!?

 米PGAツアーの予選カットの基準がまた変わる? 予選カットは、第2ラウンド終了後で70位タイまでのプレーヤーがすべて予選を通過するという基準が、今年のソニーオープンから改定され新基準が設けられたが、再びこれを元に戻そうという動きがでている。

 今年のソニーオープンでは、新たなカットのルールが適用され、日本の今田竜二や深堀圭一郎が、予選は通過したものの、決勝ラウンドのプレーができないという新ルールの最初の“犠牲者”となった。

 これは、決勝ラウンドのプレーを円滑に行うために、78人を越えるプレーヤーがタイスコアで予選を通過した場合、70人以下になるスコアに最も近いプレーヤーまでに決勝ラウンドのプレー権を認め、従来のルールで予選を通過したプレーヤーに対しては記録上は予選通過とし、最下位の賞金を与えるものの、決勝ラウンドは、プレーをする権利を失うという変則的な新ルールを適用させていたのだ。

 ソニーオープンでは、新ルールが施行された初めての試合だっただけに、「そんな話は聞いていない。せっかく頑張って、予選を通過したと喜んでいたのに、がっかり。もっとプレーヤーに告知をしておくべきだ。急にそんなルールがあるといわれても納得できない」と、ジョン・デーリーが怒っていたように、若干の混乱はあったが、さすがに、それ以降は表立った批判の声は聞こえてこなかった。

 しかし、ソニーオープンでは70位タイのプレーヤーが18人。2週間後のビュイック招待では、67位タイのプレーヤーが19人。AT&Tペブルビーチ(3コースでプレーされるプロアマ戦のため、カットは3日目終了時点で60位タイ)では10人のプレーヤーが、最終日のプレーができなかった。

 70位タイの予選カットというのは、1969年から行われているもので、ツアープレーヤーにしっかり根付いている。

 予選カットぎりぎりのプレーヤーたちはカットラインを想定して、第2ラウンドの後半、攻めのプレーをしたり、守りに入ったりとゲームプランを変化させていく。

 しかし、そのスコアが、人数によって変わるとなると計算もしにくくなる。スロースターターもいれば、初日2日目とスコアはよいが、体力や集中力に問題があり、週末には毎回のようにスコアを落とす熟年プレーヤーもいる。

 メジャーなどでは、人数の他に10ストロークルールもあり、首位から10打差以内は予選を通過するという、安全弁も用意されている。

 実際、かつて、タイガー・ウッズが予選ぎりぎりで通過して、なおかつ優勝してしまったこともある。

 決勝ラウンドを円滑にプレーさせるという理由だけで、多くのプレーヤーのチャンスを奪ってしまうことには、やはり不満の声がくすぶっていたのだろう。

 先のノーザントラストでは、16人からなるプレーヤーの諮問委員会が、70位タイのカットラインを復活させ、人数が多い場合には、第3ラウンド後に、もう1度、70位タイでカットを行う形にしようという提案を行っている。

 これを受けて、9人のメンバーからなる理事会(プレーヤーは4人)が、2月末に開催され、ここで賛成多数となれば、3月頭にも、2度の予選カット方式が適用されることになる。 

 基本的には、アメリカの最終日のテレビ中継は、ライブで、しかも試合が終わるまで延長される。

 つまり、あまりに人数が多く、そのためにラウンド時間がかかると、プレーオフがなくても、中継延長を余儀なくされることがあるのだ。

 予選通過の人数を制限することになった大きな理由の一つは、テレビ局によるトーナメント中継の延長を避けるための方策ではと噂されているが、そうした意味では、土曜日の時点で人数が減れば、問題は解決するはず。

 そうした点では、2日目、3日目の2回のカット導入の可能性は十分にあるといえるだろう。プレーヤーの不満は、結構くすぶっているようで、もしこの案が理事会で否決されたとしても、いずれ、何らかの形で、新ルールの変更はありそうだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です