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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/18号
2007/12/6更新
C級をB級に統合するPGAの方針に
インストラクターたちが悲鳴

 日本プロゴルフ協会(PGA)が認定するプロには、トーナメントプロの他にティーチングプロ(TCP)がある。このTCPはさらにA級、B級、C級と3階級に分かれている。だが、PGAでは昨年からC級での受験を廃止し、より講習時間の長いB級からの受験制度に変更した。そして、現C級会員も09年からの3年間で、極力全員、B級へ昇級させる意向で制度改革を進めている。しかし、これには不満の声も少なくない。

 TCPの資格認定制度は、05年まではC級からの受験だった。書類審査、実技テスト(いわゆるプロテスト)、筆記・面接審査に合格した者が、C級の講習会(講習会日数16日、講習時間80時間)と入会セミナー(2日間)を経て、晴れてC級資格会員としてPGAに入会となった。

 この制度が06年からは、面接審査まで合格すると、従来のC級に加え、B級の講習内容も含まれる新B級の講習会(前後期で合計28日、講習時間240時間)と2日間の入会セミナーを、1年をかけて受講する制度に変更された。

 TCP資格取得のハードルが引き上げられたわけだが、その理由をPGA事務局では「政府による公益法人制度の抜本的改革が進められるなか、PGAも社団法人としての公益性を高めるために、TCP会員についてはその指導技術の向上を図ることを目的に行ったものです」と説明する。

 これにともない、現C級会員に対してもB級の昇級(講習会受講)を強く勧めてきたが、さらに09年からの3年間で全員の昇級を実現すべく、講習会の会場を増やしたり、講習会を受けやすいよう短期講座に分ける、あるいは受講料を引き下げるといった便宜を図るとともに、今後は搦め手も用意するようだ。

 しかし、いくら上が「B級の講習会を受けろ」と旗を振っても、約1300人ものC級会員が全員、応じるとは思われない。受講には計11日間、80時間もの時間的負担に加え、受講料20万円に交通・宿泊費等の経済的負担がかかるからだ。

「もともとB級に上がっても、何のメリットもないのが今のTCP制度ですから。それに11日間もレッスンを休んで参加するのはちょっと……」と、都内でスクールを営業する30代の某プロは不満を口にする。

 同プロによれば、C級会員の多くはC級でプロの肩書きを取得さえすれば、それ以上、昇級するメリットはさほど感じていないはずという。

 また、静岡県の40代の某プロは「昇級に、TCPとして10年間教えてきた僕の実績が考慮されないのが悔しいですね」としながらも、「PGAの説明では、C級のままでは最終的にTCPの資格を停止するというような話だったので、しょうがないから受講します」と語る。

 PGA事務局によれば、「最終的にどのようにするかは決まっていませんが、資格が廃止されることはありません」とのこと。

 ただし、級によってメリット(C級にとってはデメリット)に格差を付ける方針と語る。その方針がC級会員の間では「資格停止」も含む強硬なニュアンスで伝わっているようだ。

 さらに別の搦め手で、「納得はしてないけど……」とため息まじりに語るのは、05年までシニア認定プロ(シニアツアー予選会の非会員の上位者は、認定プロとしてその年のツアー出場資格が得られた)としてシニアツアーで活躍した50代の某プロだ。

 認定プロ制度は05年で廃止、以降、非会員はツアー予選会に挑戦できない仕組みになった。ただし、その際にPGAは、認定プロとして活動中の非会員に対し、特別にTCPの受講資格を与えた。

 その結果、受講してC級会員になれば、プロとしてまたツアーに挑戦できるのだから、認定プロの多くがC級会員になった。

「それが今度はB級に昇格しなければ、シニアツアーの出場資格が認められなくなるという話ですから」。

 同プロはシニアツアーに挑戦したい一心で、C級になり、そしてB級になるという。もちろん、その都度、少なからぬ時間とお金の負担が……。

 C級会員の間から不満の声が上がるのは、無理からぬところだろう。

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