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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/19号
2006/12/5更新
全国規模の試合優勝者が、
≪アマ資格違反≫で大会2カ月後に失格

 KGA(関東ゴルフ連盟)は、今年の関東ミッドアマの優勝者を大会終了2カ月後に失格とする裁定を下した。理由は当該選手のアマチュア資格規則抵触。ところが、この選手は3年前からJGA(日本ゴルフ協会)のお墨付きをもらい国体にも出場していたというから話はややこしい。

 経緯をかんたんに振り返ってみたい。9月25、26日の両日行われた関東ミッドアマチュア選手権決勝(飯能GC)で優勝したのは高橋雅也氏(川越)

 高橋氏はその後、出場した全日本実業団対抗ゴルフ選手権で個人・団体(グラファイトデザイン社)のダブルタイトルを獲得した。

 そのインタビューの最中、高校卒業後プロを目指して10年間研修生を続け、00年にはPGA資格認定プロテスト最終まで進んだという経歴に疑問を持った記者が、アマチュア資格の有無を再確認した方がいいとアドバイス。

 高橋氏は、日本ミッドアマチュア選手権を前にJGAに問い合わせたところ、参加資格がないとして同大会のエントリーを取り消された。

 また、JGAから連絡を受けたKGAは11月22日になって、関東ミッドアマの優勝を取り消して高橋氏を失格処分とした。さらに、28日までに実業団対抗主催社も、個人戦失格と団体戦の順位降格を決定した。

 以前のアマチュア資格規則では、研修生になるなどプロになろうとする一切の行動が禁止されていた。JGAは02年1月に同規則を改正し、プロテストを受験申請した段階ではじめてアマ資格が喪失し、これが01年以前に遡って適用されることになった。

 さらに、同年9月には新たな注釈が加えられた。すなわち

「アマチュアが、プロフェッショナルツアーの登録者になるための資格を得るために、ツアー指定の競技に参加しなければならない場合、そのアマチュアはアマチュア資格を失うことなくそれらの競技に参加することができる(後略)」(アマチュア資格規則2-2、注)

 しかし、アマチュア復帰の門戸を広げるための施策が、今回皮肉にも誤解を生じさせる因となってしまったようだ。

 高橋氏の場合、02年1月の改正で、研修生だったことは資格喪失の原因から遡って除外されたことになるが、プロテストを受験している点でアマチュア復帰は認められていない。

 そして9月からはアマチュア資格を保持したままでプロテスト受験が認められるようになったが、ただし、これは02年以降の受験者に対してだけ適用される条件だった。

 つまり、アマ競技に出場するために、高橋氏は復帰申請という従来の手続きを行わなくてはならなかったわけだ。

 ただ、高橋氏にも同情すべき点がある。それは01年以前のプロテスト受験者の扱いが現行規則集に明文化されていないことだ。

 また、当然ながら旧規則は「誤解を避けるために」削除されている。現行ルールを読んで、アマチュア資格が戻ったと勘違いし、競技に出ている選手が他にもいる可能性はある。さらに、

「01年以前に受験した者と02年以降に受験した者でどうして差があるのか」と扱いの不公平さに疑問を投げかけるゴルフ関係者もいる。

 さらに、高橋氏の場合、埼玉県代表として3年前の国体に参加する際、埼玉県ゴルフ協会を通じて、「JGAに参加資格の有無を確認し了解を得ている」(協会事務局)という。

 JGAでは、「国体の成績の扱いに関しては検討中」としているが、今年の国体には、いくらプロ入会前とはいえ、直前のプロテストで合格した選手も堂々と参加しており、JGAの判断基準のあいまいさも問われてこよう。

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